スタッフを大事に。外壁から多岐にわたる工事への技術・対応力が最大の強み
有限会社國松工業
東京都江戸川区西小岩の有限会社國松工業は金属屋根や金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)、雨樋の工事を中心に行う住宅工事店です。専門は板金工事ですが、協力工事店と共に住宅全般のお悩みに対応します。高い板金加工技術により、必要な部品をオーダーメイドで製作可能です。
工事店の想い
PERSON
継ぐ気はなかった家業。おじいさんの秘めた思いを知り、一念発起して職人の道へ
有限会社國松工業(以下、國松工業)は、東京都江戸川区西小岩に拠点を構える住宅工事店です。金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根などを中心に、住宅外装工事全般を担います。
國松工業は、三代目経営者の國松慶誇さん(以下、國松さん)のひいおじいさんが始めたブリキ屋が原点です。幼い國松さんにとって、自宅の1階に併設された工場は日常の一部でした。そこで働く職人さんたちは皆優しく、一緒に遊んでくれた存在だったと國松さんは当時を懐かしそうに話していました。
國松さんは、おじいさんから「板金屋は継がなくていい」と明言されていて、家業への関心は薄かったといいます。そして公園づくりをしてみたいという憧れから短大の土木工学科に進学。卒業後は造園業に就職し、公園の管理業務に従事しました。しかし仕事を覚え始めた矢先におじいさんの病気が判明し、家族との話し合いで明らかになったのは、おじいさんの本当の気持ちでした。
「じいちゃんは本当は会社を残したいんじゃないかって話になったんです。無理に終わらせようとしていたのかもしれないなと思って、それなら残そう!と決めました。でも僕、手伝った経験なんて全然なくて、本当にゼロから始めることになって。板金屋は想像以上に大変な仕事でした」
國松さんは手先が器用だったため、先輩職人から板金を教わりスムーズに技術を身に付けました。しかし順調だった職人生活は、入社から約半年で大きく変わります。おじいさんの逝去により、25歳という若さで会社を背負うことになったのです。
最大の課題は人間関係でした。当時の職人たちは皆、自分の父親世代かそれ以上の年齢です。「年上の人たちに気持ちよく働いてもらうために、話し方から何から全部考え直さなければなりませんでした」と國松さんは語ります。ベテラン職人に気を使い続ける日々でしたが、一級技能士の資格取得をしたことで転機が訪れました。
「資格を取った途端に、職人さんたちの態度が変わった気がします。それまでとは違い、社長として認めてもらえるようになったのかな。だから取得できる資格は片っ端から挑戦したんです」
その後、國松さんは板金組合でも精力的に活動し、同業者とのネットワークを築きました。現場で助け合える体制を整備し、結果として仕事の範囲が大幅に広がりました。組合では役職も務め、同時に次世代の職人育成にも注力しなければと考えるようになり、目先の仕事だけではなく広い視野で会社の将来を見られるようになったといいます。
「職人の仕事は、実は未経験の方が先入観なしに色んなことを吸収できて面白いと思うんです。年配の職人と若手職人、それぞれ違うやり方を教えてくれるので、両方を学べるのは貴重な経験になります。職業訓練校という選択肢もあるし、5年で独立を目指すのも大歓迎です。若い人の個性に合わせた指導をしていけたらと考えています」
國松さんが描く将来像には、職人への思いやりが込められています。現場作業から引退した職人も継続して働けるよう、金物製作やオブジェ制作という新分野の事業化を検討中です。
「現実的な話として、怪我や加齢による体力低下で現場作業が難しくなることがあります。でも長年培った高い技術は変わらず持っているわけです。そんな職人のために、現場以外で技術を活かせる仕事を作りたいんです。雇用継続のためにも、板金技術を応用したインテリア製品の製作なんかをしていきたいですね」
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WORK
張り替え、カバー、塗装。必要なメンテナンスを見極めて提案し、長持ちする外壁に
東京都江戸川区西小岩の國松工業は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根をメインに施工する工事店です。塗装や防水工事も可能で、住宅外装工事全般に対応しています。國松さんは全国建築板金競技大会での優勝経験を持つ職人であり、次世代の育成にも取り組んでいます。
國松さんがお客さま対応で重視しているのは、「お客さまの希望を可能な限り実現するために、一緒に考えること」です。一方的に見積もりを提示するのではなく、「こんな方法もありますよ」とお客さまと共に模索する姿勢を大切にしています。
「提案時には必ず3~6パターンの選択肢を準備します。予算と希望を照らし合わせて、これなら追加してもいいかなと思えるような案内をします。家のことって家族で相談しますよね。旦那さんは『それいらない』、奥さんは『こうしたい』と意見が割れることもあって、そうなると金額の話になり、僕がいると話しにくいでしょう。なので、ご家族でじっくり話し合えるように、そのための見積りや資料をお渡しするんです」
外壁工事では、金属サイディングでのカバー工法(※1)と塗装工事の両方に対応しています。カバー工法は塗装と比較すると値が高くなるため、予算の都合で塗装を選択するお客さまが多いそうです。
「外壁リフォームはカバー工法と塗装の両方で見積りを作ります。カバーが必要なのは、塗装では対応できないほど表面の劣化が進んだ外壁の場合です。そこまで傷むと塗装してもすぐにまたボロボロになってしまうので、新しい外壁材でカバーした方が安心です。塗装で考えていると、カバー工法は高く感じてしまうので、安価で質の高い外壁材を数種類選定してご案内しています。また塗装工事であっても、塗装の協力業者さんはたくさんいるので、納期や価格、デザイン等、柔軟な対応が可能です」
一般住宅の他、國松工業ではマンションやビルの外壁用金属パネルの設計・製作も可能です。建物の構造により既製品では対応できない場合があり、その際は自社加工の強みを活かし、建物にぴったり合った金属パネルを製造して現場へ搬入します。
「オーダーメイドは腕が鳴りますね。どう加工したらきれいに仕上がるか、形を自分で考えながら設計図を書くのが好きなんです。自社で加工できないような凝った形のパネルでも、信頼の置ける加工業者や塗装業者と相談して作ります。オーダーメイドは、既製品にはない良さがあるんですよ」
さらに外壁の雨漏りにも対応しています。外壁雨漏りの原因の多くは、経年によるクラックです。國松さんはクラックを単純に埋めるのではなく、クラック部分を少し削り、コーキングが奥まで入りやすいように処理してからコーキングをしっかり埋め込む工法を取っています。
「そのままコーキングを塗っても剥がれやすかったり、劣化が早かったりするんです。少し厚みが出るように壁を削ってそこにコーキングを入れると持ちが良くなります。陽当たりや湿気等の違いはありますが、これをするともちに2~3年の差が出ると思うんです」
東京都江戸川区の外壁工事の特性について尋ねました。東京都、特に23区内は建物密集地が多く、施工後に建物が土地境界線をまたいでしまう懸念があります。さらに、工期中の足場設置の有無、駐車スペース、材料置き場の確保等、工事店として配慮すべき事柄がたくさんあり、國松さんは日々お客さまや近隣住民の方々とコミュニケーションを取り、工事が円滑に進むよう努めています。
※1 カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
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MESSAGE
自社板金加工で、オーダーメイドの部品製作が可能。ぴったり部品で雨漏り不安のない家に
國松工業では、アフターフォローとして外壁の全面改修工事に10年間の自社保証を設け、工事完了から3年もしくは5年後に点検サービスを実施しています。
「部分的な修理については保証対象外となることを工事前に説明しますが、外壁全体の改修については例外なく保証書を発行します。点検時期が近づいたら電話やハガキでお声がけし、返事をいただいたお客さまを訪問します。主に外観の目視点検ですが、問題を発見した場合はしっかりお伝えしています」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「雨漏りなどの不具合、お気軽にお声がけください。板金加工ができるので家にぴったり合う部品で修理ができます。外壁や屋根工事、塗装、多岐にわたる工事が可能で、対応力では他社さんに負けません。都内の狭小地での作業にも慣れておりますので、立地による制約がある場合もご相談くださいね」
國松さんの職人としての実力と顧客思いの人柄、そして自社スタッフへの思いやりが絶妙に融合している、これが國松工業の経営の要です。目の前の相手の状況を深く理解しようとする姿勢が、國松工業の信用に繋がっているのだと感じた取材でした。
(2025年5月取材)
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取材後記
有限会社國松工業
スポンジのように吸収を!
國松さんは人材育成に意欲があり、未経験でも「経験ゼロの方が色々吸収できて楽しいですよ」と言います。仕事の進め方が人によって違うのが職人の世界ですが、それを前向きに捉え、「それぞれの職人から技術を教わり、精査しながら身に付けるんです。職業訓練校もあるし、個々に合った指導をします」と、未経験者を迎える環境が整っているのも魅力的。独立にも好意的で、「うちからの仕事を引き受けてくれたら嬉しいですね」と、やる気ある若者の未来を応援する姿勢に感激しました!
年齢差職人、それぞれに対応を
現在、國松工業には20代と60代の年齢の職人がいます。この2人の職人さん、それぞれ違った魅力を持っています。20代の職人さんはいずれ独立を考えているそうで、國松さんは彼に将来を見据えたアドバイスを少しずつしているとか。一方で60代のベテランさんに現場引退後にオブジェ製作をしては?と勧めると、「現場がいい。こんなのやってらんね」と言われたと笑います。職人さん一人ひとりの性格に合わせた関わり方をしている國松さんの細やかさに心温まる取材となりました。
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工事店プロフィール(有限会社國松工業)
| 一番の強み |
創業80年の確かな技術に、新たな知識や技術を取り入れ、常に進化を続ける姿勢。そ して、真心を込めた工事とサービスで、お客さまに信頼と安心をお届けしているところ |
| 会社名 |
有限会社國松工業 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:4名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(東京都知事許可(般-7)第65895号 |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:1名
二級建築板金技能士:1名
二級建築施工管理技士:1名
巻上げ機運転者:3名
丸のこ等取扱従事者:3名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:3名
高所作業車運転者:3名
職長安全衛生責任者:3名
石綿取扱作業従事者:3名
玉掛作業者:3名
ものづくりマイスター(建築板金):1名
遮熱施工管理士:1名
監理技術者:1名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
関東地方
|
| アフターフォロー体制 |
損害保険ジャパン株式会社の第三者賠償責任保険に加入しています。
工事内容に応じて保証書の発行や定期点検を行っています。
施工後も何かありましたらお気軽にお声かけください。 |
| 代表者 |
國松 慶誇 |
| 代表者経歴 |
有限会社國松工業 代表取締役
1994年3月:江戸川区立小岩第四中学校 卒業
1994年4月:正則学園高等学校 普通科 入学
1997年3月:正則学園高等学校 普通科 卒業
1999年4月:攻玉社工科短期大学 入学
2001年3月:攻玉社工科短期大学 卒業
2001年4月:造園会社 入社
2001年8月:造園会社 退社
2001年9月:有限会社國松工業 入社
2002年2月:有限会社國松工業 代表取締役就任 |
| 所在地 |
〒133-0057
東京都江戸川区西小岩5-3-13
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|
| 営業時間 |
毎週月~土曜日 7:00~17:00 |
| 定休日 |
日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
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