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外壁工事はもちろん、建物に関するあらゆるお困りごとに臨機応変に対応
井上板金工業所
山梨県
山梨県板金工業組合
井上板金工業所
山梨県甲州市塩山上塩後の井上板金工業所は、金属系外壁（ガルバリウム鋼板外壁）や金属屋根の施工をメインで請け負っています。電気工事や鉄骨工事、雨樋修理などのご相談も可能です。創業から７０年以上経つ歴史ある工事店の三代目代表が切り盛りしています。
工事店の想い
PERSON 職人の仕事の難しさが身に染みた修業時代。祖父と父の背中を追いかけ自ら学んだ
「祖父と父が板金業を営んでいたので、幼少期からその様子を見て育ちました。とはいっても、何をやっているかは全然わかっていませんでしたね。大きくなってから簡単な手伝いする機会はあったんですが、父から後継について何も言われなかったのもあって、自分が同じ仕事をするなんて考えもしませんでした。ただ、高校は馴染めなくて辞めてしまったので、その時に家業に入るか、家を出るかの二択になったんです。それならやってみようと思って本格的に始めることになりました」
はじめは軽い気持ちで板金業に入ったという井上さん。修業では早速その難しさから壁にぶつかりました。「親切に面倒を見てくれるような時代じゃなかったですからね」と当時を振り返ります。お父さんたち職人の仕事ぶりを見てはその場で即実践、挑戦するも失敗ばかりという毎日。怒られる度に悔しい気持ちが強くなり、自ら一生懸命学ぶようになったそう。「板金は覚えても覚えてもゴールがない。常にやることが変わるから、難しいけど飽きずにやれる。それで続けてこられたのかもしれないですね」と話していました。
「今となっては高校を辞めて早いうちから職人になって良かったと思っています。技術職だから、長くやればやるほど実力がつきますから。私が始めた頃はまだ祖父も現役で、ちょうどお寺の工事をしていた時だったので、銅板工事を教えてもらいましたね。祖父は『現代の名工』（厚生労働大臣によって表彰された卓越した技能者の通称）に選ばれている優秀な職人なんですよ。お寺の工事は頻繁にあるものではないので、祖父と一緒にその経験ができたのも早くに始めて良かったことの一つです」
仕事をする上で気を付けているのは、お客さまとも、一緒に施工にあたる職人とも、しっかりコミュニケーションを取ること。取材では色々な質問に答えてくれた井上さんですが、実は仕事以外の時は口数が少なく、とても物静かな方なんだとか。取材に同席した奥さんの光子さんが教えてくれました。
「もちろん工事については職人さんともお客さまともしっかり話すんだけど、雑談なんかはあんまりしない人なんです。私が現場にいる時は、そういうのは私が担当していますね。夫婦でバランスがいいねってよく言われるんですよ。お客さまも私になら気軽に言いやすいと思うし、何でも相談してほしいですね」
今後は現在の会社の規模を維持しながら、リフォームの仕事にさらに力を入れていきたいと展望を語ってくれました。
※１ コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
※２ カバー工法・・・金属屋根の重ね張りをする屋根のリフォーム方法
WORK お客さまが納得した上で工事を始められるよう、ヒアリングとわかりやすい説明を重視
「事前の打ち合わせでは、お客さまがどういう工事を望んでいるのかをしっかりヒアリングします。納得していただいた上で工事に入るためにも、カタログや実際の事例写真を見せながら丁寧に説明していますね。専門用語をなるべく使わず、わかりやすくなるよう心掛けています」
外壁工事では金属サイディングの依頼が多いとのこと。施工するのは一般住宅をはじめ物置や倉庫など幅広く、新築とリフォームの両方を手掛けています。新築の場合は長尺の外壁が多いため外壁材を傷つけないように特に配慮して扱う、リフォームの場合は下地を作る時に不陸（平滑ではない部分）を直すなど、それぞれの注意点に気を付けながら施工していきます。不陸の調整では、でっぱりに合わせて隙間を埋めていく作業を行うそうです。
「外壁がモルタルの場合は張り替えが多いかな。既存のモルタルの劣化がひどいとモルタル自体が落ちそうになっているので、そこに胴縁という下地部材を打って新たな下地を作ってカバーするというのは難しいんです。既存を剥がしてから、断熱材が入っていなければ入れて、防水紙を張って胴縁を打ち、サイディングを張っていくというのが修理の流れ。大掛かりな工事だけどほとんど自分で施工していますね。逆にカバー工法が多いのは工場などのスレートの外壁。専用の金具を使って下地を作り、その上に新しい外壁材を張っていきます。新しい外壁材を既存外壁に直張りせず下地を作る理由は、外壁をフラットにするためです。既存外壁からの影響をなくすために下地を入れていますね」
井上板金工業所は、雨漏り修理の相談も受け付けています。まずは現場を目視でチェック、さらにお客さまからは漏れている場所についてヒアリングし、その周辺を注意深く確認していきます。外壁からの雨漏りは意外と多く、サイディングであればコーキングの切れ、モルタルであればクラック（※３）などが原因になりやすいそう。ただ、原因はわかりづらいことも多く、突き止めるのは難しい場合もあると井上さんは言います。
「いきなり大掛かりな工事をするのは金額的な負担も大きいので、一度怪しいところにコーキングしてみて、次に雨が降った時に雨漏りが止まるかどうか、様子を見るという方法もあります。うちは板金工事店ですがコーキング補修も自社施工が可能なので、安心して任せていただければと思います。ただ、コーキングは数年で必ず劣化してくるもの。そのあたりはしっかりお客さまにご説明して納得いただいた上で施工しています」
山梨県甲州市の外壁工事について尋ねました。甲州市は山が多く夏が暑い地域。山の近くの家では苔が生えやすいなどの特徴があります。井上さんは地元で長く工事をしてきているので、地域に合った材料を提案することが可能です。また、山梨県の雪は積もり方が地域によって違いがありますが、２０１４年の大雪以来、屋根には雪止め金具を取りつけたり、雨樋の金具は間隔を狭くして施工するなどの対策をしていると教えてくれました。
※３ クラック・・・ひび割れ
MESSAGE 先代からの付き合いや、自分で築いた県内外の繋がりに支えられて仕事ができている
井上板金工業所では、事前の打ち合わせから見積り作成、そして完工まですべて代表が担当するので、お客さまの要望をしっかりと施工に反映することができます。また相談があれば、板金以外の追加工事も引き受けるそう。「頼まれれば基本的には断らないですね。どうすれば力になれるかを考えます」と話していました。
「例えば、キャンプ場のドーム型テントのドアの前に雪除けの出屋根が欲しいと言われたので、自分で鉄骨を組んで作りました。他にも腐って落ちそうになっていた屋根の上裏を剥がしてベニヤを張ったり。もちろん『できることであれば』なんですが、なるべく臨機応変に対応していますね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「どんな些細なことでも、お困りでしたら伺いますのでお気軽にご連絡ください。完工後はご希望があれば保証書の発行も可能ですし、もちろん不具合のないよう施工していますが、万が一の時にはすぐに駆け付けますので安心してお任せください。お問い合わせ、お待ちしています」
取材で後継の話になった際、同席していた奥さんの光子さんが、現在４歳の息子さんが板金に興味を示していると教えてくれました。大人の真似をしてすでに器械を使いこなしているそうです。今はまだまだ小さいですが、とても将来が楽しみになるエピソードでした！
（２０２３年１０月取材）
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取材後記
井上板金工業所
持ち前の器用さが板金に活きた
昔の修業は技を盗むしかない時代だったことについて、光子さんは一番上の息子さんがアルバイトで板金に挑戦した時の話を例に出し、「教えられなくてもできたというのは努力ももちろんあるでしょうけど、向いていたんだと思いますよ。代表は板金以外でも頼まれれば何でも応えてしまうので、器用な職人だなと思います。上の息子には別の道が合っていたみたいですね」と笑って話してくれました。奥さんのお話で、職人としての井上さんの知られざる一面を知ることができました！
自ら学ぶ姿勢を大事に
４歳の息子さんが板金に興味津々ということで、後継についての考えを尋ねると「いつか本人が自然と職にしたいと思ってくれたら」と井上さん。「人材育成の難しさは感じています。要所は教えるとしても、やっぱり基本的には自分で見て、自分で考えてという姿勢がないと身につかないものなので」と話していました。人に教える難しさは取材でもよく耳にしますが、４歳ですでに板金の器械を使えるなんて将来有望ですね。井上板金工業所の今後を楽しみに待ちたいと思いました。
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工事店プロフィール（井上板金工業所）
| 一番の強み | 創業７０年以上の老舗板金店が地域で長く続けてきたからこそわかる地域の特性に合わせた工事を提案できるところ |
|---|---|
| 会社名 | 井上板金工業所 |
| 対応工事 |
外壁塗装
外壁張り替え(カバー)
外壁修理
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 | 社員：２名 |
| 保有資格者 | 一級建築板金技能士：１名 二級建築板金技能士：１名 丸のこ等取扱従事者：１名 高所作業車運転者：１名 職長安全衛生責任者：１名 足場の組立て等作業主任者：１名 玉掛作業者：１名 |
| 特徴 | リフォーム業 外壁工事業 左官工事業 |
| 対応エリア |
中部地方 |
| アフターフォロー体制 | 日新火災海上保険株式会社の統合賠償責任保険に加入済です。 ご要望に応じて保証書を発行します。 |
| 代表者 | 井上 拡樹 |
| 代表者経歴 | 井上板金工業所 代表 甲州市商工会 所属 １９９５年３月：甲州市立塩山中学校 卒業 １９９５年４月：井上板金工業所 入社 ２０１５年１月：井上板金工業所 代表 就任 |
| 所在地 |
〒404-0045 山梨県甲州市塩山上塩後２６９－４ 大きな地図で見る |
| 営業時間 | 毎週月～土曜日 ８：００～１７：００ |
| 定休日 | 日曜日、年末年始休業、大型連休（ゴールデンウィーク）、夏季休業（お盆休み） |
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