お客さま目線の外壁工事をするために、苦言も褒め言葉も全て社内共有
株式会社屋根屋
茨城県守谷市立沢にある株式会社屋根屋は、外壁工事・屋根工事を中心に住宅外装のリフォーム・修理を手掛ける住宅工事店。雨樋工事、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)工事を含めた金属工事も各種対応可能です。「お客さまの立場で施工を」という理念のもと、日々社内で意見交換を行い意識改革やマニュアル更新をしています。
工事店の想い
PERSON
負けず嫌いな性格が修行時代を有意義なものに。鍛え抜かれた精神は、今に活かされている
株式会社屋根屋(以下、屋根屋)は茨城県守谷市立沢に拠点を構える、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)をはじめとした外壁リフォーム・外壁修理、その他屋根工事など外装工事を手掛ける住宅工事店です。
屋根屋の代表取締役である染谷陽介さん(以下、染谷さん)は、屋根屋を裸一貫で創業しました。「自分の力で、お客さまに貢献したい」そんな想いでサラリーマンから独立開業。しかし初めは熱い志だけではうまくいかず……。そんな染谷さんに、幼少期からこれまでのお話を伺いました。
「足の速い子どもだったんですよ。4年生まではマラソン大会で1位。5年生で2位になっちゃってね。記憶にある限りの初めての大きな『敗北感』がそれです。それまで敵なんていなかったのに、くやしくてね。もっと小さい時はモトクロスバイクもやってました。そんな感じで、運動が好きでいつも動き回ってる子でしたよ」
活発で負けず嫌い、ひとときもじっとしていない子どもで、好奇心も半端なく強かったという染谷さん。運動好きもさることながら、ものづくりも好きだったようで、両親の設備工事の仕事を真似て廃材を使い、見様見真似で配管を繋いだり、そこへ水を流したりして遊んでいたそうです。
中学卒業後はそんな好奇心と、さらに自立心の強さが相まって就職。知人の紹介で瓦屋根工事店に入社し、自分でお金を稼いで生活する楽しさを知ったと言います。
「親に頼らずに生きていきたい気持ちが強かったですね。当時は親に反発していたなあ。今は親と仲良く暮らしているので、家族関係って不思議なものですよね」
弱冠15歳で飛び込んだ屋根工事の仕事は当然初めてのことばかり。負けず嫌いな性格が影響し、仕事を早く覚えたくて必死だったそうです。
「出来る作業が多くなると仕事って面白くなるじゃないですか。任される仕事が増えるたび、先輩職人に追いついたようで嬉しかったなあ。現場ではずっと走ってました。雑用、瓦上げ、用事は全て小走りで片付けるんです」
そうしてがむしゃらに走り続け、3年が過ぎる頃には現場の責任者として部下も付くようになりました。そうなるとさらに仕事に対する意識が磨かれ、日々の現場仕事の他、住宅工事現場に関する一般的な知識を得るために自ら勉強を始めたそうです。
やがて瓦屋根工事店での勤務が10年を過ぎた頃。
染谷さんは「仕事のやり方」について悩むようになりました。ひと手間を惜しまず美しさ重視で進めたい染谷さんと、工事基準を満たし早く仕事を進めていくという方針の会社。ジレンマに悩んだ末、とうとう2007年に独立を決意し、株式会社屋根屋を設立しました。
「意気揚々と開業しましたが、正直、会社経営を甘く見ていました。開業して痛感したことがたくさんありました。営業や経理、材料の発注そしてそのための面積や寸法計測、そんな些末(さまつ)で膨大な仕事があるのを実感して、目の回る忙しさでした。とはいえ、初めは仕事がなくてその点でも苦労しましたけどね。依頼された仕事を丁寧にこなしていくうちに、徐々に会社として回るようになった……という感じですね」
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WORK
社内全体でのレベルアップのために、施工の問題点は必ず共有し、マニュアルを更新する
茨城県守谷市立沢の屋根屋では、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)・窯業系サイディングの外壁工事、その他屋根工事、雨樋修理を行っています。
屋根屋の強みは染谷さんの独立理由からもわかる通り、ひと手間かけた美しく丁寧な施工。お客さまの望む外観に近づけるため、そして安心して暮らせる家にするため、クオリティの高い完成を目指しています。
「お客さまからの声は、お褒めの言葉もクレームもすべて社内で共有しています。現場で問題になった作業なども当然議題に上げ、同じ失敗を繰り返さないように対策を話し合っているんです。マニュアルにこれを加えていこうとか、これは無くていいとか職人それぞれの情報を擦り合わせて、社内全体でレベルアップしていく体制をつくっています」
さらに、若い職人には「常にお客さま目線で考えること」と伝えています。
「自分だったら大事な家をどう施工されたいか?この程度でまあいいかという気持ちが芽生えた時、その気持ちは本当に正しいのか?立ち止まって考えなさいと言っています。『お客さま目線になれ』は言うは易しです。具体的にどうしたら良いかを理解するためには、『自分だったら』に置き換えるのが一番の近道だと思います」
そこで、屋根屋の工事部長の大貫卓さん(以下、大貫さん)に具体的な外壁リフォーム・外壁修理、外壁工事の例についてお聞きしました。
「雨樋工事は外壁リフォーム・外壁修理のついでに交換や修理を依頼されることが多いですね。外壁工事で多いのは、窯業系サイディングよりも金属系サイディングの施工です。金属屋根のリフォーム・修理の技術を外壁へ活かして工事をしています。先日は、他の屋根工事店さんが不得意だった外壁のカバー工法を引き受けました」
屋根屋が外壁リフォーム・外壁修理の際に気を付けているのは、施工マニュアルをしっかり役立てること。そしてマニュアルに沿った仕事にプラスアルファが添えられるようにすることです。
「サイディングを貼れば、そりゃお金はもらえます。でも職人はそれだけではいけません。外壁リフォーム・外壁修理の施工をしながら、ここは雨漏りがしやすいとか、ここはもっとこうすると長持ちするとか、経験を活かしてそういった予想をしながら仕事をしています」
急な雨漏り修理の要請に対しては、柔軟な対応がものを言います。連絡があったらできるだけ早く現場へ駆け付け現状の把握をして、原因特定に努めます。
「室内の水漏れは不安ですよね。とりあえず簡易補修で水を止めてから、対策を立てて見積もり、提案の流れになります。外壁で雨漏りしやすい場所はサッシの周辺や目地かな。その場合、応急処置にはコーキング剤(※1)を使うことが多いですね。台風などの災害の時には、依頼が殺到する上にコーキング剤で補修できる規模の不具合ではないので、応急処置にブルーシートをかけて走り回ります。そんな非常事態の時は、まずは困っているお客さまを助けるのが職人の仕事です」
ここ茨城県守谷市立沢は、年に数回台風の通り道になるそうです。外壁リフォーム・修理の際には、強風に耐えられる施工をしているとのことです。
「茨城は台風と地震が多い地域かな。ビスを多めに打って対策をしています」
※1 コーキング剤・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
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MESSAGE
お客さまの要望に応えるには? 職人は現場で日々勉強を重ね、技術を高めていく
屋根屋のアフターサービスは、基本的には1年、3年、5年の定期点検。その他、何か気になる不具合があれば都度連絡をしてくださいと臨機応変です。
「ただ、1年から3年で不具合の連絡をもらうのはまずないですね。あるとしたら5年の時で、それもコーキングの経年劣化かな。考えてみたら、10年前と比較すると技術も材料の性能も各段に上がってきていますね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォーム・外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「高品質な工事を適正価格で提供したい、そしてお客さまに喜ばれる施工はどんなものか? 職人一同、いつもこうして考えを巡らせています。様々な要望にお応えできると思いますので、やってみたい外壁があったらぜひ相談してください」
「自信満々な記事になっちゃいそうですね」と申し訳なさそうに笑う染谷さん。屋根屋の良いところがとめどなく出てくるのは、お2人が会社を愛し、仕事に誇りをもっている証拠です。もし、自分の家を直すなら……? 屋根屋に頼みたい、素直にそう思えた取材でした。
(2016年11月取材)
(2022年8月加筆修正)
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取材後記
株式会社屋根屋
怒って育てるだけは良くない
取材中、染谷さんのてきぱきした言葉運びの中からユーモアや優しさがにじみ出ていました。お話をしてみて、「職人に怒らない」は納得ですが、実はそれは単に染谷さんが優しいからというだけではありません。一人前の職人たるもの、自分が何をすべきか、そして時には何が悪かったのかと自省しなければいけないと染谷さんが考えているからなのです。職人は会社に留まる人と独立する人で二極化しますが、どちらの職人にも、屋根屋で良い経験を積み良い職人になってほしいと願っているのだと感じました。
守るのは、会社だけではない
染谷さんは「お客さまはもちろん、スタッフも守る覚悟がない人は、経営者になっちゃいけないんです」と言いました。これは染谷さんの経営者としての信念です。前述の職人への態度からもわかるように、染谷さんはものごとの表面だけを見ていません。その先にある、もっと大切な事象を想像して、会社の経営、職人の育成、お客さまへの対応、それらと向き合っています。そして、「覚悟」という言葉を経営者として、しっかりと受け止めている人だと感じました。
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工事店プロフィール(株式会社屋根屋)
| 一番の強み |
お客さまの要望に応えるため、ひと手間かけた美しく丁寧な施工を行うところ |
| 会社名 |
株式会社屋根屋 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:7名、専属外注:5名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(茨城県知事許可(般-30)第36435号) |
| 保有資格者 |
二級かわらぶき技能士:2名
ケイミューROOGA指定工事店(第083237号)
石綿取扱い作業従事者特別教育修了者:1名
足場の組立て等作業主任者:3名
職長安全衛生責任者:3名
高所作業車運転者:1名
各種太陽光ID取得(TOSHIBA、SHARP、パナソニック、京セラ、長州産業、カネカ) |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
関東地方
|
| アフターフォロー体制 |
施工後に保証書を発行するとともに、1、3、5年で点検いたします。
雨漏りなど何か問題があれば、すぐに伺います。 |
| 代表者 |
染谷 陽介 |
| 代表者経歴 |
株式会社屋根屋 代表取締役
1995年3月:守谷市立守谷中学校 卒業
1995年4月:有限会社森瓦工業 入社
2007年8月:有限会社森瓦工業 退社
2007年10月:株式会社屋根屋 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒302-0118
茨城県守谷市立沢71-5
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| 営業時間 |
毎週月~日曜日 8:00~18:00 |
| 定休日 |
無し |
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