「外壁張り替え(カバー)」について

2020.06.26 外壁カバーについて

外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？

1.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：はじめに
2.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：外壁カバーの説明と外壁カバーに使われる素材
3.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：外壁カバーの施工方法
4.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：まとめ

1.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：はじめに

最近外壁リフォームで話題になっているカバー工法（重ね張り工法）。

カバー工法って何で使うの？
何を使うの？今既にある物？別のもの？素材は？
工事方法は？
・・

今回はそういった疑問にお答えしていこうと思います。

なお、この記事を書くに当たっては、ケイミュー株式会社が発行している
２０１８設計施工マニュアルリフォーム（外壁材）
専門業者様向け（２０１８年５月発行）を適宜引用及び参考にしています。

2.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：外壁カバーの説明と外壁カバーに使われる素材

まず、外壁カバー工法について説明しますね。

外壁カバー工法とは、既存外壁はそのままで、
既存外壁の防水処理（補修、または防水シート施工）を行った後、
胴縁を適切に取り付け、胴縁を接合部として、
新規の外壁材を取り付けることです。

張り替え工法が既存外壁を撤去して、新規の外壁材を取り付ける方法なので、
外壁カバー工法はその逆ですね。

外壁カバー工法は張り替え工法よりも外壁撤去の手間や廃棄代金がかからないため、
リーズナブルに外壁を良くしたい場合に使われます
（最も、いつかは外壁撤去をしないといけないため、
家を解体するときにまとめて既存外壁も撤去するので、
そのときに撤去料金がかかることになりますが）。

次に外壁カバーに使用される部材を紹介します。

外壁材は大きく分けて

①窯業系と呼ばれるセメントが主原料の材料
②金属系と呼ばれる板金（金属の板）の材料

の2種類があります。
他にも外壁のしっくい（左官屋さんと呼ばれる職人さんが以前にやっていました）
がありますが、現在の主流は窯業系と金属系の2つです。

外壁カバーは既存外壁材をそのままに新たな屋根材を取り付ける方法ですので、
家全体の重量が外壁張り替えに比べて重くなります。

その分、外壁カバーには重量の軽いものを使いたいということで、
②金属系の外壁材料を使って工事する場合が多く見られます。

3.外壁カバーってどんなもの？その工事方法は？：外壁カバーの施工方法

では金属系の外壁を使って外壁カバーする場合の施工方法について見ていきましょう。

外壁張り替えが柱の外に胴縁と呼ばれる木材を這わせて、
その木材（胴縁）の上に金属系の外壁材を設置していく流れに対して、
外壁カバーの場合は既存外壁のクラック等を補修した後に胴縁を設置して
その胴縁に外壁材を取り付ける流れになります。

ただ違うのは、既存の外壁材の上に新しい金属系外壁を張っていくため、
壁の厚さが増加するので、それで問題が起きないかを確認する必要があるということです。

まずは外開き戸と新規外壁材が干渉しないかです。

ドアが180度開くタイプの場合、新規外壁材が張られることで、
ドアが180度開かなくなる場合があります。

また窓が既存外壁まで目いっぱい開くタイプの場合も、
新規外壁が既存外壁の上に設置されることで、窓が開かなくなる危険性があります。

そういった納まりについても外壁工事業者の判断を仰ぐことが必要になります。

また、附属品と呼ばれるダクトや給湯器、配管なども既存外壁に設置されているため、
適宜付属品を外したりしないといけないですし、配管については、
配管裏面と既存外壁の間に新規外壁材が入らないといけないので、
新規外壁材の厚みとの比較も施工時に確認するポイントとなります。

またこれは外壁張り替えにも共通するポイントですが、
隣の家との境界が狭いと外壁工事のときに付けるべき足場がつけられない
ということもあり得ます。