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新築からリフォームまで。外壁の劣化やトラブルを板金加工技術で解決へ
有限会社エムエス工業
茨城県
茨城県板金工業組合所属
有限会社エムエス工業
茨城県水戸市開江町の有限会社エムエス工業は、金属系外壁（ガルバリウム鋼板外壁）や金属屋根をメインに施工する板金工事店です。高い実績に基づいた確かな技術と知識が大きな強み。地域に根差した仕事でお客さまの信用を築いてきた会社です。
工事店の想い
PERSON 現状に迷いが生じていた大学時代。父の起業を手伝い、板金業でやっていこうと決意
エムエス工業の創業は２００１年。代表取締役の笹島征太郎さん（以下、笹島さん）はこの会社の二代目経営者です。笹島さんは全国建築板金競技大会建築技術の部で優勝経験もあり、茨城県板金組合青年部長を経て、現在は全日本板金工業組合連合会青年部の役員として活躍されています。先代であるお父さんから家業を引き継いだ経緯や、仕事への想いについてお話を伺いました。
「私の子ども時代ですか？わりと活発な方だったかな。中学で生徒会長をやっていましたね。でもそれは高校入試に有利だと聞いたからなんですけどね」
笹島さんはここ水戸市で生まれ育ちました。幼少期の思い出を尋ねると、色々なことをいたずらっぽく話してくださいました。小学生から中学生までサッカーに励み、ディフェンダーとして指示を出す役割を担っていたそう。地元の友人と共にワイワイ過ごした楽しい子ども時代だったといいます。
高校生になると、夏休みにお父さんが働いていた板金工事店でアルバイトをするようになりました。板金業を体験したのはこの頃が初めてだったといいます。板金運びや掃除等の雑用がメインでしたが、暑い時期に終日外にいるのはかなりきつかったと当時を振り返っていました。
「アルバイトするとは言ったものの、朝５時起床、帰宅は夜７時。めちゃくちゃきつくて行きたくなかったですよ。結局２週間くらいしか仕事していないですけど、本当に大変な仕事だと感じました」
高校卒業後は大学へ進学。しかし、目標や目的が持てず勉強に全く身が入らない日々が続きました。やがてアルバイトに精を出すようになり、笹島さんは１回生の後期には全く講義に出なくなってしまったのです。そのような生活を終わらせたのは、先代が会社を辞めてエムエス工業を開業した時。「それなら俺もやりたい」と志願し、大学を辞めて会社立ち上げから先代と伴走したのです。
正式に職人として仕事を始めて大変だったのは道具の扱い方だそう。笹島さんは左利きで、板金の道具は右利き用、ハサミひとつ扱うにも四苦八苦したそうです。長年の職人生活で、板金の道具の大半を右手で扱えるようになりました。
「充電ドリルやインパクトドライバー、最初は左手で使っていたんですよ。でもいつのまにか右手で使えるようになりました。でもハンマーで叩くのは右では全くできないんですよ。道具をまず左手で掴んでしまうので、右手で取る習慣をつけるのに苦労しましたね」
親子での会社経営は意見の衝突も多かったといいます。しかし笹島さんは「大抵は親父の言うことが正しいんですよ。僕が仕事を覚えたての頃がいちばん衝突していましたね」と頭をかきます。エムエス工業は、現場を先代と笹島さん、加工場にはお母さんも加わり、文字通り家族総出で切り盛りしてきました。
そうして、笹島さんは２０１７年に先代から経営を引き継ぎ代表取締役へ就任。その後大変だったのは、当時働いていた職人さんが個々の事情により辞めてしまったこと。現在は社員に加えて専属外注でまかなっていますが、今後この人数が維持できるかどうか不安もあるそうです。
「昔は自分のところの人数が多少足りなくても、まわりに声を掛けたら来てもらえたんですが、今はどこも人手不足で職人の確保が難しいんです。若手を育てたい意欲はあるので、もし見習いが増えたら興味を持ってくれるように、この仕事の面白いところを伝えていかなければいけませんね。普段から、話を聞くということを大切にして、意見交換も心掛けているんですよ。今後は地域密着で住宅リフォーム工事もやっていきたいので、人手を確保するために人材育成にも力を入れていきます」
WORK 地域活動にも積極的に参加。子どもたちに銅板に触れてもらい、板金加工を身近なものに
笹島さんは、板金組合青年部の地域活動にも積極的に参加しています。板金業の大切さと面白さを周知するために、公共施設の屋根修理や小中学校での出前授業を引き受けているそうです。
「８月３日が建築板金の日なんです。その日に青年部の有志で講演の案内板の小さな屋根を修理したりするんです。小中学生には銅板でのレリーフ作りを指導したりね。授業の間、仕事の話ばかりしてもつまらないだろうから、銅板に触れてもらって楽しんでもらうんです。いつか、住宅の材料に銅板が使われているなんて話を聞いた時に、あの時銅板で工作したな、なんて思い出してもらえたら嬉しいですね」
実際の外壁修理の事例では、築３０年ほどの家の窯業系サイディングへのカバー工法が挙がりました。経年劣化でチョーキング現象（※１）を起こしており、リフォームしたいとの相談があったそうです。
「塗装でメンテナンスするかカバー工法（※２）するかでお悩みのお客さまでした。外観の雰囲気を一新したいという希望があったため、最終的にカバー工法で決定したんです。カバー工法は外壁材そのものが変わるので、思い切ったイメージチェンジができますよね。窯業系サイディングの上にかぶせる場合は、まず胴縁（※３）を流して通気層を作り、その上に金属系サイディングを張る工事が一般的ですね。ただ、カバー工法は外壁に厚みが出てしまうので、サッシまわりの処理に工夫が必要なんです。窓枠は板金で丁寧に納めて、美しく仕上げました」
外壁の雨漏り修理にも板金は活躍します。外壁の雨漏りの原因で多いのは換気口やサッシの造作部分です。納めのために使用しているシーリング等（※４）が劣化し、そこから雨水が浸入する場合があります。
「先日、築２５年くらいの家で、室内のボードが浮いているとの相談がありました。おそらく湿気によるものでどこかで雨漏りを起こしているんだろうと点検したら、換気口のシーリングが劣化で切れてそこから水が入り込んでいたんです。中に防水紙（※）が張ってあったんですが、昔の工事なので少しやり方が甘かったようでね。外壁を部分的に剥がしてから、水が伝わらないようにテープで返しを作ってあげて。いつかまたシーリングが切れたとしても、その下の防水紙で水が止まるように丁寧に施工しました」
茨城県水戸市の金属系外壁工事の特性について尋ねました。水戸市周辺は積雪も少なく、通年で住宅工事しやすい地域です。カバー工法等の外壁工事は、メーカー推奨のマニュアルに沿って施工するのが何よりの安全策だと笹島さんはいいます。
「平野部で特別強い風みたいなものもないですし、暮らしやすい地域だと思います。台風も先に東京や千葉を通ってから茨城へ入ってくるので、体感ですがおそらく少し弱まって通過していくのではないかな。材料に沿ったマニュアルを守るのが、１番ですね」
※１ チョーキング現象・・・外壁を指で触った時に白い粉がつくこと
※２ カバー工法・・・金属屋根の重ね張りをする屋根のリフォーム方法
※３ 胴縁・・・壁の板張りやボード張りなどを受けるための下地部材
※４ シーリング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
MESSAGE 住宅リフォームは地域密着店がお勧め。工事店とコミュニケーションを重ね納得いく施工を
「自社保証書の発行、点検等、工事が終わってからもしっかりアフターフォローします。万が一、お客さまが不具合を発見した場合は遠慮なく連絡をしてください。外壁に続いて屋根もやってほしいなんていう追加工事の相談も大歓迎です」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「これまでの実績を活かし、外壁も屋根も、幅広い材料で施工の提案ができるのが強みです。足場工事も自社でできるため、工期や予算についてお客さまの都合に合わせて融通がきくのも利点だと思います。スタッフにもしっかり教育しているので、確実な工事をお約束できます。仕事は、技術が高いのが良いのはもちろん、人付き合いの面もすごく大切です。挨拶やお礼、感謝の気持ちを込めて行うように指導しているので、気軽に声をかけてくれたら嬉しいです。工事店選びは難しいと思います。必ず相見積もりを取って、色々な工事店さんとお話をしてみてください。地域密着型の工事店さんなら、いい加減な仕事はしません。そんな中でエムエス工業を選んでいただけたら嬉しいです」
板金の仕事の魅力はと尋ねたところ、笹島さんは「手掛けたものが長く残ること。そしてインフラの一端を支えていること」と胸を張って答えていました。自分の仕事に誇りを持っている職人。大切な家の工事をお願いするなら、こういう職人さんに頼みたいと実感した取材でした。
（２０２３年８月取材）
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取材後記
有限会社エムエス工業
かつては親子で衝突も……
エムエス工業の創業時、先代と共に歩んできた笹島さん。親子という間柄のせいで、初めは意見の衝突も絶えなかったそうです。「僕が仕事を覚え始めた時が、酷かったかな。少しできるようになって調子に乗っていたんですよね。親子だと遠慮もないしね」と素直に振り返る様子に、すごく親近感を抱きました。誰しも若い頃の恥ずかしい経験ってありますよね。それを包み隠さずこのような場で話せることに、笹島さんの器の大きさを感じました。
人々の「住」を支える大切な仕事
板金の仕事の魅力は「衣食住の住を支えていることですね」と笹島さんはきっぱり答えました。人が生活していく上で住宅は欠かせないもの。建物が新しくても古くても、そして小さくても大きくても、屋根や外壁がないと住宅としての機能が果たせません。板金職人は住宅外装のような大きな建材から、意外にも銅板レリーフのような細かな小物まで手掛けます。大らかさと繊細さ、相反する２つが共存する板金職人という仕事に魅力を感じた取材でした。
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工事店プロフィール（有限会社エムエス工業）
| 一番の強み | 地域に根差し、高い実績に基づいた確かな技術と知識が大きな強みの工事店。様々な屋根材を扱っており、現場に合わせた施工を提案・工事を行えるところ |
|---|---|
| 会社名 | 有限会社エムエス工業 |
| 対応工事 |
外壁塗装
外壁張り替え(カバー)
外壁修理
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 | 社員：７名 |
| 建設業許可 | 建築工事業、大工工事業、左官工事業、石工事業、屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、熱絶縁工事業、建具工事業（茨城県知事許可（般―２）第３１３９３号） |
| 保有資格者 | 一級板金技能士：３名 一級施工管理技士：1名 ものづくりマイスター（建築板金）：1名 建築マスター（屋根工）：1名 建築ジュニアマスター（板金工）：1名 足場の組み立て等作業主任者：1名 |
| 特徴 | リフォーム業 外壁工事業 |
| 対応エリア |
関東地方 |
| アフターフォロー体制 | 自社施工の場合、1年後の点検をさせて頂いております。 カバー工法・葺き替え工事のお客様には、5年間の自社の保証書を発行致します。 |
| 代表者 | 笹島 征太郎 |
| 代表者経歴 | 有限会社エムエス工業 代表取締役 １９９７年３月：水戸市立石川中学校 卒業 ２０００年３月：茨城県立緑岡高等学校 卒業 ２０００年４月：獨協大学 入学 ２００１年１０月：獨協大学 中退 ２００１年１０月：有限会社エムエス工業 入社 ２０１７年１２月：有限会社エムエス工業 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒311-4144 茨城県水戸市開江町２０７４－１０ 大きな地図で見る |
| 営業時間 | 毎週月～土曜日 ８：００～１８：００ |
| 定休日 | 日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休（ゴールデンウィーク）、夏季休業（お盆休み） |
| 備考 | ２０１９年２月：全国建築板金競技大会 建築技術の部 優勝 |
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