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祖父の代から受け継いだ伝統技術で、お客さまの要望を叶える外壁工事を実現
株式会社尾形板金社
宮城県
宮城県板金工業組合
株式会社尾形板金社
宮城県石巻市中里の株式会社尾形板金社は、金属系外壁（ガルバリウム鋼板外壁）や金属屋根の施工をメインで請け負っています。塗装や防水工事も信頼のおける協力業者とともに対応。創業から約６０年、地域の住宅や工場など様々な建物を手掛けてきた工事店です。
工事店の想い
PERSON 震災をきっかけに家業に触れる時間が増え、自然な流れで板金の道を志す
「会社を創業したのは祖父で、現在は父が二代目として代表取締役を務めています。僕は小さい頃から、学校から直接会社に帰ってそこで遊んで、という感じで育ったので、板金はずっと身近な存在でしたね。ちょっとした手伝いをするとお小遣いをもらえたので、それで近くの駄菓子屋さんに行っていた記憶があります。ただ、実際何をやっているかはしばらくよくわかっていなかったんですよ。小さい頃は『屋根葺き』と言われても、『屋根を雑巾で拭くんだ』なんて思っていたくらいですから」
尾形さんは幼稚園の頃には絵のコンクールで金賞を獲るなど昔から手先が器用で、家業の手伝いも小学生の頃からしていました。しかし、意外にもお父さんの後を継ぐつもりは全くなかったそう。意識が変わったのは、中学卒業を目前に起きた２０１１年の東日本大震災の後でした。
「復興工事で会社はとにかく忙しそうで、依頼があってもこなしきれないくらいの仕事量のようでした。人手が足りなくてどうしようもないので、ブルーシートを掛けに行ってしばらくそのままになってしまっているような状況で。必然的に僕も駆り出されて、その頃は毎週末手伝いに行っていましたね。学校が休みの日は友達も手伝いに来てくれていました」
高校在学中にはガソリンスタンドのアルバイトもしていた尾形さん。社員にならないかと誘いを受けるほどの働きぶりだったそうですが、その誘いをきっかけに家業について真剣に考え始め、最終的には卒業したら板金の仕事をしようと決意したとのことです。
「職業訓練校に通いながら会社の先輩職人さんに仕事を教えてもらっていたんだけど、当時は『見て覚えろ』という教え方なので色々と納得いかなくて、喧嘩になってしまうこともありました。仕事自体は好きだったんですが、ストレスで辛くなってしまった時期もあって、一度外に出てみろという父の提案で、近所の板金屋さんで働くことになりました」
尾形さんはそこで初めて自社職人以外の仕事を目の当たりにし、人それぞれにやり方が全然違うと知ったのだとか。その板金屋さんで出会った職人さんに技術を叩きこまれ、３年ほど修業した後に尾形板金社に戻りました。同時期に板金組合の青年部にも所属し、多くの出会いがあったそうです。
「今後は会社の規模を大きくしていきたいという思いもあるので、スタッフの増員も考えています。何事にも一生懸命取り組んでくれる人や僕と一緒に会社を大きくしていけるよう考えてくれる人が来てくれたら嬉しいかな。『見て覚えろ』という育て方は、今となっては正しい側面もあると思っているんです。でも丁寧に教えることも大事だと思っています。できないから投げ出すのではなく、悔しいから頑張ると思えるようにして、ミスしてもいいからどんどんチャレンジしていけるような環境を作りたいです。あと学びたい子には職業訓練校にも通える体制も整えたりして、若い人材を育成していきたいですね」
WORK 雨漏りリスクを最小限に減らすため、見えないところでも手を抜かない
「うちは一般住宅だけではなく大型物件の工事も行っています。最近は築４０年くらいの工場の外壁修理を行いました。現地調査で外側から目視点検をしたら、下地の鉄骨が曲がっているのがすぐにわかるくらいの傷み具合でしたね。まずは部分修理なのか全体を直すのか、どこまで工事するかをお客さまに確認しました。幅３０メートル、高さ１０メートルくらいの広い面だったので、全体の３分の２くらいまでという話になりました」
工場自体が鉄工場だったため、下地は鉄工場の方で直してもらうことになり、尾形板金社の職人さんたちはその後に工事に入りました。まず既存の外壁を剥がし、防水シートを施工して、新しい外壁材を張っていく流れです。高さのある一枚ものの外壁を４人で施工していったので、作業中はお互いにしっかり声掛けをするなど、安全面に気を配って工事を進めていったそうです。
「窯業系サイディングの建物の工事では、当初、お客さまから『張り替えたい』とご相談がありました。ただ、この既存外壁材はアスベストが入っている可能性があり、処分にするには余計な費用がかかってしまうんです。なので処分費用を抑え、既存を剥がさずに済むカバー工法がありますとご案内し、お客さまもご納得されて、カバーをすることになりました。もともと横張りの二色の外壁だったので、同じように一階の上あたりから色を変えて施工していきました。おしゃれな外壁でしたね」
外壁修理の際、尾形さんは板金に無駄にはさみを入れないよう気を付けていると言います。一枚もので折りたたんで施工できるものは、なるべく切らずに工夫しているそうです。切って施工してもコーキング処理すれば問題はありませんが、錆の発生原因や雨漏りのリスクにもなり得るため、手間はかかっても切らないように努力していると教えてくれました。見えないところまで手を抜かない尾形さんの姿勢が表れているエピソードだと感じました。
宮城県石巻市の外壁工事では、雪害と風害、沿岸部では塩害にも配慮した施工を行っています。雪の重みで雨樋が壊れるケースが多いため、ビスの本数を増やしたり、ビスの間隔を通常より狭くしたり、対策をしているそう。また風の強い地域では、簡単に飛ばされないよう劣化しにくい下地材を提案したり、沿岸部では錆に強い材料を提案するなど、地域に合わせて対応しているとのことです。
「外壁や屋根の塗装をしている時に雨樋を直したいと考えるお客さまも多いみたいで、塗装屋さんからの紹介で雨樋修理をするケースもよくあります。外壁や屋根の工事では足場を組むので、費用面で考えても一緒にメンテナンスをした方がメリットがあるんですよね。もちろん既存の状態によりますが、そろそろかなと思ったらお客さまにお声掛けしています」
※１ カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
※２ コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
MESSAGE 祖父から継承したステンレス加工の技術が、自分の強みになっている
尾形さんはお客さまとの事前の打ち合わせの際、仕上がりをイメージしやすくなるよう、カタログやサンプルを持参しています。それでもわからないという場合は、時にはお客さまと一緒に近所を散歩して、色々な家を見て具体的にイメージを膨らませてもらうのだとか。散歩しながら話をすることで、和やかな雰囲気でコミュニケーションが取れるのもメリットの一つ。見積りは内容や材料によって、１～３パターン程度作成するそうです。
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「うちは人当たりの良いスタッフばかりなので、気軽に何でもご相談いただきたいですね。スピーディーな対応も心掛けています。すぐに仕事に繋がらないとしても、その先も困った時に呼んでもらえるような、かかりつけのお医者さんみたいな存在になりたいと思っています。お客さまとは、完工後も近くを通った際に顔を出してお話するような関係性なので、これから出会うお客さまにも安心して長くお付き合いいただければ嬉しいですね。お問合せ、お待ちしています」
取材中、板金の良さを尋ねると「一枚の平板からなんでも生み出せるところ」と答えてくれた尾形さん。厨房のステンレス工事のように、お客さまの要望や建物の特徴に合わせて臨機応変に対応できる板金店の強みを一言で表していますよね。その完結な一言から頼もしさを感じました！
（２０２４年６月取材）
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取材後記
株式会社尾形板金社
イベントを通して、地元の良さを伝えたい
「本当に地元が大好きなんですよ」と、何度も地元・石巻市への想いを口にしていた尾形さん。板金組合の青年部とは別の会にも所属し、お祭りの運営や裏方の仕事もやっているそう。イベントで参加者が楽しんでくれて、笑顔になって帰っていくのがとても嬉しいと言います。「石巻市はどうしても人が都市部に流れていってしまう地域なので、地元の良さがもっと多くの人に伝われば」と活動の理由を語っていました。並々ならぬ強い地元愛が感じられますね！
父に学ぶコミュニケーション術
取材中、お父さんについて「工事の技術はもちろんだけど、初対面の人ともすぐ打ち解けられるところがすごい」と教えてくれた尾形さん。自身については「勢いはあるんだけど…まだまだですね」と謙遜されていました。今は色んな場所に顔を出したり、集まりがあれば絶対行くようにして、多くの人とコミュニケーションを取ることを心掛けているそう。今後は尾形さんがお父さんのすごいところを引き継いで、ますます親しみやすい工事店になってくれそうですね！
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工事店プロフィール（株式会社尾形板金社）
| 一番の強み | 祖父の代から続く地域密着の工事店。雪国ならではの提案・対策をし、雨漏りに強い施工はもちろん、様々なステンレス加工もできるところ |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社尾形板金社 |
| 対応工事 |
外壁塗装
外壁張り替え(カバー)
外壁修理
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 | 社員：４名 |
| 建設業許可 | 大工工事業、屋根工事業、板金工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、建具工事業（宮城県知事許可（般―４）第１７６８２号） |
| 保有資格者 | 二級建築板金技能士：１名 二級建築施工管理技士：１名 巻上げ機運転者：1名 高所作業車運転者：1名 職長安全衛生責任者：1名 石綿取扱作業従事者：1名 玉掛作業者：1名 |
| 特徴 | リフォーム業 外壁工事業 左官工事業 |
| 対応エリア |
東北地方 |
| アフターフォロー体制 | 施工後も定期的に様子を見にお伺いさせていただきます。 何かございましたら迅速に対応致します。 |
| 代表者 | 尾形 龍紀 |
| 代表者経歴 | 株式会社尾形板金社 取締役 ２０１１年３月：石巻市立山下中学校 卒業 ２０１１年４月：宮城県石巻工業高等学校 入学 ２０１４年３月：宮城県石巻工業高等学校 卒業 ２０１４年４月：宮城県建設技能者訓練協会連合会高等職業訓練校 入学 ２０１４年４月：株式会社尾形板金社 入社 ２０１6年３月：宮城県建設技能者訓練協会連合会高等職業訓練校 卒業 ２０２０年２月：株式会社尾形板金社 取締役 就任 |
| 所在地 |
〒986-0815 宮城県石巻市中里7－5―8 大きな地図で見る |
| 営業時間 | 毎週月～土曜日 ８：００～１8：００ |
| 定休日 | 日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休（ゴールデンウィーク）、夏季休業（お盆休み） |
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