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外壁工事に加え、ステンレス加工技術を活かして内装工事にも対応する施工店
有限会社小嶋工業
長野県
長野県板金工業組合
有限会社小嶋工業
長野県長野市真島町の有限会社小嶋工業は、金属系外壁（ガルバリウム鋼板外壁）や金属屋根の工事をメインに施工する板金工事店です。板金技術を活かした内装工事も得意としており、厨房の壁や棚、ステンレス台の製作も可能。同業者との繋がりを活かし、板金以外の住宅工事の窓口にもなっています。
工事店の想い
PERSON 幼い頃から備わっていた後継ぎとしての心構え。今後は採用に力を入れ、人材育成も！
長野県の歴史の中に「松代群発地震」という、とても珍しい災害があります。１９６５年から数年にわたり震度２～３の地震が頻発し、多いときには１日に５００回以上の有感地震があったそうです。小嶋工業の創業から約２０年経った時のことで、不覚にも地震のために住宅工事のニーズが高まり、板金職人である小嶋さんのおじいさんの仕事も多忙を極めたそうです。
「板金の張り替えや屋根の葺き替え、長く続いた地震で住宅工事の需要が増えたと聞いています。私の父も板金をやっていましたが、鉄骨工事や新築の木造工事も始めていて、私が入社した時は大工さんが９人いたんですよ。でもそのうち木造工事をやめて、鉄骨と板金でやるようになりました。私は祖父と父の働く姿を見てきたので、自分も同じように生きていくんだろうなと考えていましたね。工場で板金の切れ端をもらってペーパーナイフや刀を作ってね。ここに来たら武器の材料が山ほどある！何か作って遊べる！そんな環境で育ちました」
子どもの頃から板金でものづくりを楽しみ、お父さんの影響で剣道にも勤しんでいました。幼い頃からまわりの大人に「小嶋工業の三代目」と呼ばれてかわいがられていたため、家業継承への反発心は全くなく、気が付けば板金の仕事をするための心構えが出来上がっていたといいます。
「問屋さんや職人さんのいるお酒の席でかわいがってもらいましたよ。不思議なもので小さな頃からそう言われていると、プレッシャーも何もなく家業に入るという意識が育つんですね」
工業高校卒業後は勉強のために地元の建設会社へ入社し、長野オリンピックに沸く長野の町で選手村等の建設に携わりました。新卒入社ですぐに現場監督を任されるという厳しい環境で鍛えられながら４年間勤め、オリンピック景気が傾いてきた１９９９年に退職を決めて、家業の小嶋工業へ正式に入社したそうです。
「ひと通り建設会社での仕事をやって、不況に入ってきた頃でした。それまでずっと忙しかったので、少し仕事が減って落ち着いてきたタイミングで退職を決めたんです」
会社勤めでは現場監督、家業では技術職。同じ建設業とはいえ職種は大きく違ったため、入社当時はまず施工技術を身に付ける必要がありました。しかし小嶋さんには覚えようという気負いがなく、日々の仕事をしていく中で身に付いていったと当時を懐かしそうに振り返っていました。
★松代群発地震
参考URL
国立公文書館サイト「災害に学ぶ」https://www.archives.go.jp/exhibition/digital/saigai/contents/06_230.html
WORK 人材育成にも注力。リフォーム工事は、身に付けた技術の応用の繰り返しが大切
現在（２０２４年）、依頼が後を絶たず、時には泣く泣く仕事をお断りする事態にもなっているという小嶋工業。そのため、「採用にも力を入れて人材育成をしたい」と小嶋さんはいいます。しかし、建設現場の技術職を担う若者は年々減っており、求人をかけても応募がなかなか見込めないのが現状です。小嶋工業では良い人材を迎えるために福利厚生を整え、スタッフがより働きやすい会社になるために努力を重ねています。
「退職金制度の導入、休暇取得の見直し等を実施しています。土日の作業になる場合もあるんですが、そういう時は事前に休むか後日休むか希望を聞いたりね。体力仕事で高所作業に慣れるまで大変かもしれませんが、最初は皆そうなので安心してください。元気があって素直な人が来てくれたらうれしいですね」
そして小嶋さんは、板金を「何でも屋」と例えます。板金加工や施工の基礎技術は必須ですが、仕事としてはその先からが面白いと語っていました。小嶋さん自身も会社員を辞めて家業へ入った時、覚えた基礎技術のみに頼るのではなく、それらを活かして応用していくことが大切なのだと気が付いたそうです。
「板金屋って何でも屋です。特に改修工事は型通りの仕事では通用しません。その建物の不具合や修理内容に合わせた施工が必要なので、覚えた知識をフル活用して、さらに新しいことを考えなければいけません。仕事を覚えるというよりは、考えることが大切なんです。そこで私がいつも社員に言うのは、工事の『目的』なんです。この家のご家族が幸せに住むために私たちの仕事が必要なんだよってね」
しかし、「家族」「幸せ」「目的」というワードでは現場スタッフに伝わりにくいと感じる場合もあるそう。そのような時は感情論を省き、端的に結論だけを話すことも。指導方法や伝え方は相手あってのものであり、手段は人それぞれだと模索しているようでした。
そして小嶋工業では、資格取得に対して手厚いサポートをしています。一級建築板金技能士は試験のために技術を教えたり、板金組合主催の講習会への参加も可能です。組合との強い繋がりを活かし、新人職人を育てる土壌を整えています。
実際の外壁工事の事例では、経年劣化による破損がある土壁から金属サイディング（※１）への張り替え工事が挙がりました。古い土壁がこれ以上崩れないように、断熱性の高い金属サイディングでまわりを覆う提案をしたそうです。
「崩れかけた土を保存する方向で考えたんです。これ以上崩れないように、なおかつ崩れても大丈夫なようにサイディングで覆いました。断熱サイディングは、色や柄の種類が豊富で表面に凹凸があったりタイル柄もあったりするので、これで提案するとお客さまの選択肢が増えて選びやすくなるんですよ」
また、金属系サイディングを張る工事にも小嶋さんならではの技術があります。曲面の外壁にサイディングを張るのはとても難しいのですが、小嶋さんは断熱材に細かくカッターを入れて丸みをつけ、外壁に沿うように張る技術を持っているのです。
「かなり根気が必要な作業なんですよ。平らな金属板を曲げると折れ目がついてカクっとなるので、そうならないように細かくゆっくり作業するんです。カッターの入れ方で作業の出来が決まりますね」
長野県長野市の金属系外壁工事の特性を尋ねました。長野県の冬は長く、当然積雪もあります。外壁リフォームや外壁工事と同時に工事することが多い雨樋は、雪害による破損が多く、落雪を避けるために軒先から少し離して設置するそうです。
※１ サイディング・・・セメント製や金属製の外壁材
MESSAGE 技能は技術を身に付けたその先で備わるもの。高い技能をお客さまの要望のために活かす
「鉄だけの素材で大丈夫？とよく言われますね。そういう時は６０年経った建物の写真を見せて、簡単には錆びませんと説明しています。見積りは必要であれば２パターン出しますし、施工に関する保証書もご要望があれば発行可能です。アフターフォローとして、付き合いのあるお客さまに年末にカレンダー配布を行っているんですよ。どこをめくっても小嶋工業の電話番号があるので、何かあったら施工後も気軽にお電話くださいね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「小嶋工業には４つの信条があります。１つは個客の要望に応える、２つめは技能を向上させ続ける、３つめは社員と家族の幸せな暮らしを守る、そして４つめが地域社会の幸せな暮らしを守る、です。信条に沿った仕事、すなわち地域の皆さまが幸せになる仕事をしていきたいです。ここ長野市で長い間施工をしてきたので、地域の住宅工事業者とも繋がりがあり、色々なケースに対応できると思います。外壁工事のこと、気軽にお問い合わせくださいね」
小嶋工業には「お客さまのご要望に技能で応えたい」という目的理念もあります。あえて技術ではなく「技能」を使っているのは、「技術は勉強で得たもの、技能は技術のその先にあるもの」だと考えているからだそう。お客さまへの貢献と、職人の成長をおろそかにしない姿勢、この揺るぎない思想のタッグが小嶋工業の屋台骨を支えているのだと感じました。
（２０２４年２月取材）
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取材後記
有限会社小嶋工業
歴史ある会社だからこそ…
この地域で長く続いている小嶋工業。後継者については「どうだろうねえ」と口が重くなりました。小嶋さんにはお子さんがいらっしゃいますが、それぞれの道を歩み始めているそうです。おひとりだけ小嶋さんご夫妻と同じ学校へ進学したため、淡い期待があるとか。経営者としての厳しい顔と、ご家族を思う柔和な顔。取材担当者として両方の貴重な表情を見ることができました。
誰もやらないなら小嶋がやる！
ステンレス加工の内装品製作は、建築板金会社としては珍しい事業。ここには先代の熱い仕事への姿勢が表れています。先代は、誰も手を挙げなかった「歩道橋の手すり」を金物屋レベルの繊細な技術で完成させ、また、今もすごい建物だと語り継がれる老舗旅館の難しい工事も納めた経験があります。しかし裏では、その施工のために寝ずに勉強をして、未経験の作業は頭に叩き込む努力を惜しみませんでした。新たな加工技術の向上に燃える小嶋さんには、先代の精神が確実に宿っていると感じました。
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工事店プロフィール（有限会社小嶋工業）
| 一番の強み | 優れた板金工事の技術だけでなく厨房や店舗の内装といったステンレス加工も得意とし提供できるところ |
|---|---|
| 会社名 | 有限会社小嶋工業 |
| 対応工事 |
外壁塗装
外壁張り替え(カバー)
外壁修理
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 | 社員：４名 |
| 建設業許可 | 建築一式工事業、大工工事業、屋根工事業、タイル・レンガ・ブロック工事業、鋼構造物工事業、板金工事業、内装仕上工事業（長野県知事許可（般―４）第１０４４３号） |
| 保有資格者 | 一級建築板金技能士：１名 二級建築士：１名 二級建築板金技能士：１名 二級建築施工管理技士：１名 研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育：１名 高所作業車運転者：３名 職長安全衛生責任者：３名 足場の組立て等作業主任者：１名 玉掛作業者：２名 既存住宅状況調査技術者：１名 建築物石綿含有建材調査者：１名 登録建築板金基幹技術者：１名 |
| 特徴 | リフォーム業 外壁工事業 左官工事業 |
| 対応エリア |
中部地方 |
| アフターフォロー体制 | 東京海上日動火災保険の事業活動包括保険に加入済です。 ご希望があれば、金額・施工内容に応じて自社の保証書を発行致します。 年末にカレンダーを持参し、ご挨拶に伺います。 |
| 代表者 | 小嶋 浩明 |
| 代表者経歴 | 有限会社小嶋工業 代表取締役 １９９２年３月：長野市立裾花中学校 卒業 １９９２年４月：長野県長野工業高等学校 入学 １９９５年３月：長野県長野工業高等学校 卒業 １９９５年４月：新成建設株式会社 入社 １９９８年１２月：新成建設株式会社 退社 １９９９年１月：有限会社小嶋工業 入社 ２０１９年１月：有限会社小嶋工業 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒381-2203 長野県長野市真島町川合２７７ 大きな地図で見る |
| 営業時間 | 毎週月～土曜日 ８：００～１８：００ |
| 定休日 | 日曜日、祝日、土曜日（月２回不定期）、年末年始休業、大型連休（ゴールデンウィーク）、夏季休業（お盆休み） |
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