外壁の艶や耐久性。プロの目利きで、塗料の効果を最大限に引き出す塗装に
ラビット塗装
滋賀県湖南市石部南のラビット塗装は、外壁塗装・屋根塗装を中心とした住宅塗装を行う塗装店です。塗料の多色使いで塗るエイジング加工も扱っているため、メンテナンスのための守りの塗装だけではなく、外観のイメージチェンジ等の攻めの塗装も得意としています。
工事店の想い
PERSON
父のお得意さまから見えてきた地域高齢化の現実。そこに打ち勝つ仕組みを考えたい
ラビット塗装は滋賀県湖南市石部南に拠点を構える塗装店です。創業は1989年。現代表の木元順次さん(以下、木元さん)のお父さんがここ滋賀県湖南市で塗装店を開いたのがラビット塗装の始まりです。
木元さんは幼い頃から塗装を生業にしているお父さんを見ていました。しかし塗料の臭いが気になったため、子ども心に「自分はこんな仕事はしいひん」とぼんやり考えていたそうです。そんな木元さんが家業継承に至った理由は何だったのか?これまでの歩みや仕事への想いについてお話を伺いました。
木元さんはここ湖南市生まれの地元人。中学生時代は野球部に所属し、「部活をするために学校へ行っていた」というほどの大の部活好きでした。試合でなかなか勝てないチームでしたが、友人との練習やお喋りなど、仲間と過ごす時間が大好きだったそうです。
「授業中はゆっくり休んで、部活を楽しむ。そんな生活でした。弱いチームでね。当時は甲賀郡だったけど、常に一回戦負けで郡の大会から上へは行けなかったです。それでも部活が楽しかったなあ」
高校には野球部がなかったため、アルバイトに励み友人と過ごす時間を楽しみました。卒業後は設備会社で電気ケーブルを設置する仕事に従事したものの、仕事に面白みが感じられず、もやもやした日々を送った時期もあったそうです。その後も工場や建設業、ガソリンスタンド、様々な職を経験しました。そしてある会社で働いていましたが、収入の安定に不安を感じていました。ちょうどその時期に家業の塗装店が繁忙期だったため、木元さんはお父さんを手伝おうと決めたのです。
「父から忙しいから手伝いに来いと言われて、それがきっかけで塗装業に落ち着きました。父は基本的に怒るとか教えるとかしない人でね、出入りしてる職人さんたちに仕事を教わったかな。色合わせの技術は独学です。父は現役の頃は調色が得意で、いまだにそれだけは敵わないんですよ」
塗装の面白いところや大変なところは?と尋ねたところ「やっぱり清掃や養生は大変だね」といたずらっぽく笑います。木元さんは「塗る作業」が好きで、建物が見違えたり、自分の作った色が建物にぴったり合っている、そんな状態を見て塗装業にやりがいを感じるそうです。
「でもね、塗装は養生が8割っていうんです。僕は養生は好きじゃないけどこだわりはあるんです。他の人の養生を見て腹が立つこともありますね。自分が塗る時に『こんな養生じゃあかんやろ』ってね。養生をしっかりしておかないと、塗る時にうまくできないので、大事な作業なんですよ」
先代と経営交代したのは2017年。それ以前から経理作業等は木元さんが担っていたそうです。人がよく腕の立つ先代でしたが、事務仕事が得意ではなかったため、木元さんが入社してから徐々に業務を引き継いだそう。
「僕がすでに事務仕事をやっていたので、代替わりは問題なかったかな。父は人のよい性格で親しまれていて、黙っていても付き合いで仕事をもらう職人だったんです。僕の代になってからは、周りが高齢化で工務店を閉めたりしたことがあったので、受注を安定させるのが大変でした。それでも、父のそういう姿を見ていたせいか、僕も『人がよいね』と言われることが多いです。自分で言うと恥ずかしいですけどね」
木元さんには、今後はスタッフを増やし売上も倍にしたいという高い意気込みがあります。それは、まわりの工事店や職人たちの高齢化を懸念しているためでもあるのです。
「人を増やすとは言ってもべらぼうに欲しいわけじゃないんですよ。僕とあと数人、何班かでいくつかの現場をこなす配置ができればいいですね。地元の取引先には後継ぎがいない会社がほとんどです。この先、10年もしたら廃業になるかもしれないので、その時に皆で共倒れしないように仕組みを考えていきたいですね」
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WORK
できることできないことをはっきり伝え、お客さまの期待に応える塗装工事を
ラビット塗装は滋賀県湖南市石部南に拠点を構える塗装店です。住宅塗装を中心に、外構塗装、内装塗装など、あらゆる住宅まわりの塗装を行います。塗装の他、外壁修理や雨漏り修理、外壁カバー工法等の工事が必要な場合は窓口となり協力工事店へ繋ぎます。また、木材塗装の他、ウレタン樹脂を使った塗装や防水、壁穴の補修や漆喰の壁、珪藻土やコンクリートの壁、また砂壁のリフォームも要望により対応可能です。
木元さんが仕事をする上で気を付けているのは、丁寧な言葉遣いをすること。そして要望にできるだけ応えるよう努めること。できる施工、不可能な施工をはっきりさせ、それを伝えた上でお客さまの要望に添った施工を考えます。
「塗れる塗れないをはっきり伝えます。最近はインターネットで自分で調べたいお客さまもいるので、見積書の材料名も詳しく書いているんです。大体見積書は、グレードの高い材料、一般的で皆が使っている材料で2パターン出すかな。あと、仲良くなれるようやったらコミュニケーションでお喋りもさせてもらっています。あまり入り過ぎると嫌がる人もいるので臨機応変にね」
外壁塗装の事前点検で注意深く見るのは、ひび割れやコーキング(※1)の状態。特にサッシ周りや角部分は割れやすいので入念にチェックします。劣化部分を確実に修理してから塗装をしなければ、塗料の利点を最大限に活かせないからです。
「外壁塗り替えの前には、割れやコーキングの傷み、北面の苔にチョーキング(※2)など、様々なチェックをしなければいけません。窯業系サイディングはここ10年以内のものだと特殊なコーティングがされているものがあるんです。それは下塗りの材料を変えないといけないので、築年数を必ず伺って対応しています」
実際の外壁塗装の事例では、金属系サイディング(※3)の塗り替えが挙がりました。築15年ほどの一般住宅で、チョーキングが発生していたそうです。木元さんは現地調査をした結果、丈夫なラジカル塗料(※4)を提案しました。
「金属系サイディングだったので、チョーキングが目立っていました。ラジカル塗料の油性は作業中のにおいがちょっときついんですが、錆(さび)に強く丈夫なので金属の時は勧めています。ラジカル塗料にも水性があり、紫外線などで起きるラジカルの発生を抑制することができます。それによって、チョーキング現象を抑え、耐久年数を長くする効果はあるんですが、錆に強いわけではないんです。水性塗料を金属系に塗ることもできますが、仕上がりの艶もおかしく見える時があるので、金属部分や付帯部分には油性を使用して仕上げていきます。もしかしたら、それはプロの僕たちにしかわからない艶の違いかもしれないんですけどね」
また、外壁の色分け塗装は木元さんが得意としている塗り替えです。レンガ調の色のサイディングをエイジング加工で塗装したところ、外観のイメージチェンジになり大変喜ばれました。
「何もないところに木目調の模様をつけたり岩の模様を入れたりするのがエイジング加工です。僕は独学なのでできるものが限られてるけど、レンガ調ならおまかせください。何色も色分けして少しずつ塗るので手間がかかりますが、イメージが変わるので楽しいですよ。外壁と玄関まわりの色をガラッと変えることも可能なので、やってみたいイメージがあったらどんどんご相談ください」
滋賀県湖南市の外壁塗装工事の特性について尋ねました。湖南市は冬はそれなりに冷えるため、気温が5度以下になるような冬期間は、外壁塗装を避けています。塗料には水分が大敵なので、霜が降りる環境での塗装は塗面の乾燥や艶に影響が出てしまうからです。木元さんは冬に見積り依頼を受けた場合でも、急を要することでなければ、暖かくなってからの工事を勧めています。
※1 コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
※2 チョーキング・・・外壁を指で触った時に白い粉がつくこと
※3 金属系サイディング・・・金属製の外壁材
※4 ラジカル塗料・・・「ラジカル」という酸素や紫外線、水などが顔料に接触することで発生する劣化因子の発生を抑える性能がある塗料
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MESSAGE
近いからこその迅速な対応と、信頼関係の築きやすさ。地元工事店の良さをもっと広めたい
塗装工事は、作業中の騒音や塗料の臭いで近隣に迷惑をかけるのは避けられません。木元さんは施工が始まる前に必ず近隣に挨拶をして、工事開始のお知らせをするそうです。また、アフターフォローは柔軟に対応。万が一の不具合や施工不良には、迅速に修正や補修を行います。
「塗り終えたあとに、何か気になることを見つけたら気軽に連絡をしてください。できるだけ工期中にコミュニケーションを取って、お客さまから要望が言いやすい関係性にしておきたいと思って仕事をしています。気兼ねなく何でもおっしゃってくださいね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや外壁塗装の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォーム・外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「僕は塗装や住宅工事は、地元の塗装店や工務店に頼んだ方が良いと思います。自治体によっては住宅工事に補助金が出る場合もあって、その申請には『地元業者に依頼する』というのが大抵条件にあると思うので、そういった時も安心ですよね。外壁塗り替えはちょっとしたことではなく、大きな金額になります。どうしても迷ったときは、相見積もりを取って、じっくり検討するのもひとつの方法です」
ラビット塗装の名に恥じぬよう、可愛らしく親しみやすい工事店でありたいと木元さんは言っていました。地域密着店である自負と心意気、そしてその地域の未来の懸念までもしっかり考えていることに頼もしさを感じた取材でした。
(2023年1月取材)
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取材後記
ラビット塗装
プロだからこそ鈍感な塗料のにおい
木元さんにはプロだからこその悩みがあります。それは塗料のにおいに鈍感になっていること。お客さまの中には施工中のにおいで体調を崩される方もいます。そんな時には、養生をすべてに張ってしまうのではなく、面々に養生し換気ができるよう工夫しているそう。お客さまの苦痛に敏感にならなければと、普段から小さな訴えを見逃さないようにしているそう。わからないからと知らんふりせず、寄り添う気持ちを忘れない姿勢に感激です。
SNS発信にも挑戦
地元密着塗装店ならではの活動のひとつに、商工会青年部への所属があります。そこの活動で会社の動画を作ってもらったと楽しそうに話していたのが印象的でした。「受注を倍にするには、まずは地域の皆さまに名前を覚えてもらわないと!」と、これからはSNS発信もやっていくと前向きな様子。心意気だけではなく、できることをコツコツと積み上げていく木元さんに元気をもらった取材でした!
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工事店プロフィール(ラビット塗装)
| 一番の強み |
言葉の説明だけでなく、家の名称などの絵やカラーシュミレーションを使い、お客さまに丁寧な説明をしているところ |
| 会社名 |
ラビット塗装 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:1名 |
| 保有資格者 |
一級塗装技能士:1名
有機溶剤作業主任者:1名
高所作業車運転者:1名
危険物乙種第4種類:1名
酸素欠乏危険作業主任者:1名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁塗装工事業
左官工事業
屋根塗装工事業
樋塗装工事業
外構・エクステリア工事業
内装仕上工事業 |
| 対応エリア |
近畿地方
|
| アフターフォロー体制 |
東京海上日動の第三者賠償責任保険に加入済です。
何か不具合などございましたら、迅速に対応いたします。
|
| 代表者 |
木元 順次 |
| 代表者経歴 |
ラビット塗装 代表
湖南市商工会 所属
栗東市商工会 所属
湖南市商工会 青年部所属
栗東市商工会 青年部所属
滋賀県中小企業家同友会 湖南支部 所属
滋賀県建築組合 石部支部 所属
1996年3月:石部町立石部中学校 卒業
1996年4月:京都科学技術専門学校高等課程 入学
1999年3月:京都科学技術専門学校高等課程 卒業
2003年4月:木元塗装 入社
2013年1月:ラビット塗装に社名変更
2017年1月:ラビット塗装 代表就任 |
| 所在地 |
〒520-3108
滋賀県湖南市石部南6-9-20
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|
| 営業時間 |
毎週月~土曜日、祝日 8:00~18:00 |
| 定休日 |
日曜日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
屋根工事の依頼も可能です。ラビット塗装の「やねいろは」掲載記事はこちら