腕も実績も一級。外壁リフォーム後はお客さまの家のメンテナンス担当に
株式会社柴田板金
兵庫県加古川市志方町の株式会社柴田板金は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の工事を中心に行う板金工事店です。その他住宅工事にも幅広く対応します。若い職人が多く、フットワーク軽く離れたの現場にも対応できるのが強みです。
工事店の想い
PERSON
人が嫌がる仕事も引き受けた開業当時。仕事を未来へ繋ぐために、無理を重ねて踏ん張った
株式会社柴田板金(以下、柴田板金)は、兵庫県加古川市志方町にある板金工事店。メイン事業は外壁や金属屋根などの板金工事ですが、外装から内装まであらゆる住宅工事に精通している頼もしい会社です。
柴田板金の代表取締役柴田哲也さん(以下、柴田さん)は、兵庫県加古川市で生まれ育ちました。実家は板金業を営んでおり、柴田さんにとって、お父さんの働く姿は幼い頃から身近なものでした。
「どんな子どもだったか?どうやろ、普通の子やと思いますよ。外で遊んでいらんことばかりしてたなあ。子どもの頃は漁師になりたいと思ってた記憶がありますが、そっちには進みませんでしたね。勉強が苦手で、父が『どこも行くところないならうちで働け』という感じで、雇ってくれたんですよ」
中学校を卒業してすぐに、柴田さんは家業の板金店で働き始めました。しかし、これまで夏休みなどに手伝いをしていたとはいえ、柴田さんは素人同然。はじめは材料運びなどの雑用ばかりで、なかなか板金には触らせてもらえませんでした。
「素人なんかにやらせたら、仕上がりのクオリティが下がりますからね。だからやらせてくれなかったんやと思います。実は僕も20歳を超えるくらいまで、板金業をずっとやっていこうとは考えていなかったんです。まだ他の仕事するかもしれへんっていう気持ちもあって身が入ってなかった。気持ちが変わったのは、21歳で結婚してからです。家族と飯を食べて行くには、きちんと毎月真面目にお金を稼いで持っていかないとあかんでしょう」
結婚して仕事に一生懸命になるまで、板金業にはさほど思い入れがなかったという柴田さん。板金業は屋外仕事のため天候に左右され、高所作業で危険と隣り合わせでもあります。始めたばかりの時は、きつい仕事だと感じていましたが、結婚後は真面目に向き合うようになり、現在は板金職人の仕事にやりがいと誇りを持っています。
「板金職人は、すごく必要とされとる仕事やと思います。まあ、人手が足りないという前提がありますけどね。でもそれはどこも同じでしょう。これからもっと需要が増えて良くなるんちゃうかな。技術の高い職人はひっぱりだこですよ」
柴田さんは23歳の時にお父さんの元から離れ、柴田板金を独立開業しました。技術は身に付いていたものの顧客は引き継がなかったため、独立後2年間は工事店として苦しい状況だったそうです。
「人が嫌がる儲からない仕事も、進んで引き受けました。何でもやらなあかんと思ってね。一緒にやってくれた若い人もいたし、どうにかやめないで踏ん張らないとしょうがなかったというかね。安定してきたと実感できたのは、35歳くらいの時です。親父が亡くなったり大変なこともありましたが、それからはずっと忙しいです。独立してから、心構えが変わりましたね。無理してでもやらなあかん、こなさなあかんという精神が養われた気がします。無理です、できません、とは言わずに、まずやってみる。そんな気概を持ってやらないと、会社は大きくなりません」
柴田板金の正社員の職人には、賞与や有給休暇、交通費など福利厚生も手厚くしています。休暇を取りにくいイメージがある建設業界ですが、職人の旅行等の用事の際には、柴田板金では有給休暇を使えるよう皆で現場をやりくりしているそう。
「職人もその他のスタッフも、こんなに小さな会社についてきてくれとるんで、ありがたいです。皆がおらんようになったらできんのでね。家族のように思っています。昔はね、若気の至りで大きな声でスタッフに怒ったりしたもんですが、今はしません。長く仕事をしてきて、感情で怒ったらあかんと思うようになりました。皆、失敗はするしね。以前職人がすぐに辞めてしまう時期があって、そこで気が付いたんです」
今後は、会社の規模をもっと大きくしていきたいと意欲的な柴田さん。そのために、地域の交流会や会合に積極的に参加して、情報交換に努めています。さらに、職人不足が懸念される時代ですが、会社の福利厚生も完備し、「職人が働きやすい会社になって、長く太く勤めてもらえたら」と、働き手を迎える側としての準備も整えていっています。
「板金だけではなく、建設業界は若い職人さんが続かない傾向にある仕事ですね。でも、うちでやってくれている若い人は、全て知人からの紹介で入った人たちで頑張ってくれています。僕は育てる側にいるわけですが、気長に気長にと自分に言い聞かせているんですよ」
このように柴田さんは会社の利益のみならず、自社で働く職人の働く環境も向上させていきたいと意欲的。今後も長く続けていきたいと話す柴田さんからは経営者としての頼もしさが感じられました。
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WORK
リフォーム工事は、新築よりも技術と知識、そしてお客さまとの信頼関係が何より大切
兵庫県加古川市志方町の柴田板金は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の外装工事全般を幅広く手掛けています。外装のほか、内装リフォームにも対応しており、住宅の様々なお悩みや不具合を解決へ導きます。
柴田さんは、若い頃にお客さまから自分に向けられた態度が、強く印象に残っています。その経験から、身だしなみや挨拶に実際の作業以上に気を付けるようになったのです。
「初めてお会いしたお客さまに『こいつ大丈夫かな』という態度をされたんですね。若い頃だったので、髪の毛が茶色くて作業着も薄汚れていました。態度に出されるって相当でしょう?これじゃあかんと思って、髪の毛を黒く染め直して、身なりを整えてお客さまのところへ行くようにしたんです」
また、工期中は実際の作業に尽力するのはもとより、清掃や安全対策にも留意して仕事を進めています。工事の説明などは、明快な提案書や写真を用いて話し合いを重ね、コミュニケーションを大切にしながら行います。さらに、柴田板金では外壁リフォームの工事も多く、お客さまへの説明や工事の進め方にも細かな配慮が欠かせません。
「新築工事とリフォームだと、リフォーム工事の方が手がかかります。外壁を剥がしたら予想していた構造と違った!なんてこともあって、建物や工事の知識が必要です。たとえば木下地があると思ったら鉄骨やったりとかね。図面が残っていれば全然困らないんですが、資料がなくてお客さまも覚えていないとかだと、やっぱりめくってみないとわからないんです。思ってたんと違うとなったら、ビスなどの材料が違ってくる場合もあるので、お客さまと話しながら施工方法を変えていきます。下地があるかないか、あったとしても木下地と板金、下地の種類で施工方法が大きく変わるので、その変更をスムーズに受け入れてもらえる関係性づくりも大切です」
外壁の工事で多いのは、新築住宅の窯業系サイディングの設置、社屋や工場などのガルバリウム鋼板(※1)の設置です。窯業系サイディングとガルバリウム鋼板外壁は材質が異なるため、職人の手数や施工方法が違います。
「窯業系サイディングは既製品で、丸ノコで切ってはめ込んでいく作業で誰がやってもある程度の職人ならできるし、正直あまり難しくありません。一方で、板金の外壁材は用途に合わせて色んなことができるんですよ。ハサミで切ったり曲げて細工したりして、加工しながらの作業になるので、センスが必要かな。小物なんかはつくって持っていくしね。その現場のサイズと形に合わせて加工するので、既製品よりもきれいな仕上がりになりますよ。たとえば、既製品は1800のサイズなので、4mの部材が必要だと1800を何本も繋げて設置します。けど、僕らは4mのものを1本作って持っていくので、継ぎ目がなくてきれいな外観になるんですよ。ぴったりのものを加工できるのは、強みですね」
柴田板金では雨漏り修理の相談も受け付けています。外壁の雨漏りの多くは、サッシまわりが原因になっていることが多いそうです。その場合、散水調査がメインになります。
「散水して、どこから水が入り込んでいるかチェックします。原因箇所が見つかれば、その状態に合わせて外壁をやり直したり、新たな金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)をかぶせるカバー工法(※2)をしたりしますね。サッシまわりならコーキング(※3)だけで直す手もあるんですが、そうなると数年後にコーキングが劣化して切れてしまうと、結局また1、2年後に同じところで雨漏りを起こすので、できることならそうならないように根本的に直させてもらいたいですね。お客さまの都合もあるので、もちろん、コーキングでOKならそれで直しますよ」
最近の住宅は、コーキングが切れただけでは室内に影響するような雨漏りにならないと柴田さんは考えています。サッシや外壁材の下には一次防水がしっかり施してあるため、外壁の表面から水が入っても室内にはそう簡単には影響しないのです。
「室内まで水がしみている場合は、コーキングの劣化だけが雨漏りの原因とは考えにくいです。一次防水だけではなく、二次防水も突破しているということですから。防水紙、サッシまわりの防水テープ、全てをやり直す根本的な外壁修理をしないと、職人としては心配です。部分修理だと、そこだけ修理しました!みたいな外観になってしまいますしね。ただ、お客さまの予算の都合も考えなければならないので、修理方法は慎重に相談して決めていきます。お客さまが納得してくれたら、それでええので。再度おかしくなったら、また見に行きますのでね」
※1 ガルバリウム鋼板・・・現在板金材料の主流となっているアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板であり、鉄板よりもさびなどに強い
※2 カバー工法・・・金属外壁の重ね張りをするリフォーム方法
※3 コーキング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
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MESSAGE
堅苦しくない職人たち。何でも相談してもらって、一生メンテナンスに携わっていきたい
兵庫県加古川市の外壁工事の特性について尋ねました。加古川市の辺りは通年で過ごしやすい気候です。降雪はありますが、積雪で困ることは滅多にありません。そのため加古川市の周辺ならではの外壁工事の特性はあまりなく、マニュアル等に準じた施工で行います。
「加古川市の辺りは暮らしやすい町です。工事に影響するような気候は特にありませんね。阪神・淡路大震災以来、建築法が見直されたので昔にくらべたら建物は頑丈になっていると思います。マニュアルについて、ぼくらは最低限それを守りますが、大抵はこんなもんじゃあかんやろと思ってもうひと手間プラスしますね。板金の曲げ方とか、端の始末は職人の経験でマニュアル以上の手を加えていますよ」
なお、加古川市でも最近突然に起こるゲリラ豪雨での対応をしなければならないこともあり、大幅な雨量の増加に対応できるよう工事も工夫しています。雨漏りの多くは実は外壁からも起こっており、柴田板金では外壁のチェックもしっかり行っていますとのこと。
柴田さんは、外壁リフォームをしたお客さまとは一生もののお付き合いをしていきたい、そのような気持ちで一つひとつの現場に向き合っています。
「信頼関係が築けたら、お客さまがその家に住んでいる限り、自分がメンテナンスを担当したいですね。完工後も、何か不具合など気になることがあったらすぐに連絡してくださいね。アフターフォローで点検に行きますから。あと、家の周囲に木が茂っていると、雨樋は枯葉がたまりやすいんです。1年に1度掃除をすると水の流れがスムーズになるので、連絡をいただけたら掃除をしにうかがいます」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「若いスタッフが多いので、板金以外の色んな住宅工事に対応できます。僕自身が堅苦しくないし、多少遠くても呼ばれたら行きますので、気軽に何でも相談してくださいね。お客さまのもつ要望や完成イメージがたくさんあると思います。職人がきちんと打ち合わせをして、ああせなあかんこうせなあかんとは言わずに、お客さまの考えに寄り添って形にします。とりあえず何でもお話ししてみてください。お問い合わせ、お待ちしております」
こちらの質問に終始明るく答えてくださった柴田さん。最後のメッセージにあった「堅苦しくない人間です」の言葉通りで、おそらくお客さまとの打ち合わせも、このように明るい雰囲気で行われるのでしょう。仕事のお話では、次々と出てくる工事例に経験値の高い職人さんだということがよくわかりました。気軽に相談、そして高品質な仕事。柴田板金は、町の板金工事店としての役割をしっかりと担っている、そう実感した取材でした。
(2022年10月取材)
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取材後記
株式会社柴田板金
スタッフに頭ごなしに押し付けない
お客さまの要望の中には、職人が「ん?」と首をかしげるものもたまにあるそう。柴田さんはそれを頭ごなしに否定せず、要望を丁寧に汲み取ります。これらのこと以外にも、柴田さんの対応には余裕があるように感じました。本当のプロは、度量が広い!ご自身の技術に自信があり、なおかつベテランの今も「どうしたらいいんだろう?」と考える姿勢を大事にしているのです。
自分の家だったら……
柴田板金の施工の基本的な考えは「自分の家だったらどう工事するか?」
職人もやはり人間。もし「自分の家」を工事するなら、自分ができる最高の仕上がりになるようにと考えますよね。その気持ちをそのまま、お客さまの家に投影するのです。立場の違いはあれど、自分の家を大事に思う気持ちは皆同じ。そんな風に向き合ってくれる職人さんがいるなら、家のメンテナンスをお願いするのが安心だと感じました。
共に働く若い職人は皆、紹介で
柴田さんの元で働く若い職人さんは、全て友人知人からの紹介だそう。時には「うちの息子を頼む」なんてことも。若い人の面倒をみてくれと人から頼まれるのは、柴田さんの人柄が信頼されている証拠ですよね。柴田さんはできるだけ福利厚生を厚くして、若い人が働きやすい環境をつくりたいと考えています。時流に合わせた体制作りをする柔軟さ、これも柴田さんがまわりから頼りにされる理由だと思いました。
他の職人の仕事を見るのが好き
「板金はね、センスだよ」
仕事の詳細を聞いている時、柴田さんは何かを面白がっているような表情になりました。いまでも他の会社の職人さんの仕事を見るのが好きだそう。取材中、「あかぬけている屋根ってあるんですよ!」と話す柴田さんに、ものづくり好きの少年の話を聞いているかのような錯覚に。あかぬけた屋根?と不思議でしたが、この人は本当に板金の仕事が好きなんだなあと、しみじみと思った楽しい取材でした!
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工事店プロフィール(株式会社柴田板金)
| 一番の強み |
お客さまのご要望を尊重した提案を行い、丁寧な施工はもちろん、施工後のことも考慮しているところ |
| 会社名 |
株式会社柴田板金 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:6名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(兵庫県知事許可(般―3)第407596号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:1名
二級建築板金技能士:1名
外壁診断士:1名
巻上げ機運転者:1名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:4名
高所作業車運転者:1名
職長安全衛生責任者:1名
石綿取扱作業従事者:4名
足場の組立て等作業主任者:1名
玉掛作業者:2名
職業訓練指導員:1名
一般建築物石綿含有建材調査者:1名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
近畿地方
|
| アフターフォロー体制 |
損害保険ジャパン株式会社の保険に加入済です。
なにか気になることがあればご連絡ください。
迅速に対応いたします。 |
| 代表者 |
柴田 哲也 |
| 代表者経歴 |
株式会社柴田板金 代表取締役
兵庫県中小企業団体中央会 所属
1991年3月:高砂市立宝殿中学校 卒業
1991年4月:柴田ブリキ店 入社
1999年4月:柴田板金 創業 代表就任
2013年4月:株式会社柴田板金 設立 代表取締役就任 |
| 所在地 |
〒675-0321
兵庫県加古川市志方町志方町2036
大きな地図で見る
|
| 営業時間 |
毎週月~土曜日、祝 8:00~18:00 |
| 定休日 |
日曜日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
| 備考 |
2013年11月:第二十一回ひょうご技能グランプリ建築板金 中堅の部 準優勝
2017年11月:第二十五回ひょうご技能グランプリ建築板金 熟練の部 準優勝
2019年11月:第二十七回ひょうご技能グランプリ建築板金 熟練の部 優勝
2022年6月:建築板金職種 ひょうごの匠に認定 |
屋根工事の依頼も可能です。株式会社柴田板金の「やねいろは」掲載記事はこちら