小松の厳しい冬を耐え抜く外壁をつくる、伝統の修理技術とドローン診断
有限会社上内板金工業
石川県小松市大領町の有限会社上内板金工業は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の張り替えやカバー工法、屋根工事などを施工する地域密着の工事店です。地域特有の過酷な気候を熟知し、単なる張り替えに留まらない下地補強からの丁寧な施工で、地元の信頼を集めています。
工事店の想い
PERSON
幼い頃から描き続けた職人人生。技術と経営の両輪を回し、地域の方々に慕われる工事店へ
石川県小松市大領町にある有限会社上内板金工業(以下、上内板金工業)は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の張り替えや修理、各種屋根工事などを手がける工事店です。代表取締役を務める上内和法さん(以下、上内さん)は、幼い頃から板金職人であるお父さんの働く姿を見て育ちました。お話を伺ったところ、家業を継ぐことは、ごく自然な将来像だったようです。
「小学生時代は、週末になると現場へついて行って、荷物を運んだり物を取ってきたり、手伝いをしていました。働いている感覚はなかったけど、手伝いをしたら小遣いがもらえてね。野球とか魚釣りとか外で遊ぶのが好きだったし、楽しい少年時代でした」
工業高校の建築科に進学し、着々と歩みを進めていた上内さん。ところが、高校3年生の頃に状況が一変。先代の判断により、後継ぎの話が一度なくなったのです。
「まわりを見ると、自営業者の子どもが公務員になるというパターンが多かったんですよ。自営業やし、建設業界も不景気やったから、親父なりに息子には苦労させたくないっていう思いがあったんでしょうね」
やむなく就職活動を始めた上内さんですが、今度は内定していた会社が入社直前に倒産。お父さんから親戚が営む工事店を紹介され、板金業の修業が始まりました。2006年にはあらためて上内板金工業へ入社し、2023年に代表取締役に就任。その後、金沢職人大学校で6年間にわたり伝統建築の修復を学び、技能まつりで優勝するなど高い技術力を身に付けます。しかし、職人として現場を重ねる日々の中で、次第に新たな葛藤を抱くようになったのです。
「以前は下請けの仕事が8〜9割だったんですが、下請けだと決められた予算でマニュアル通りに動くしかないんです。職人として現場を見ていると『本当はこうしてあげた方がええのに』って思うことが山ほどある。でも、余計なことをすれば赤字になるんです。そんな働き方にやりがいを感じられなくなっていったのかもしれません」
やがて、上内さんは業界に詳しい知人との出会いや板金組合での交流を通じ、経営の重要性に目覚めます。販管費や利益率を学び直し、自らチラシを撒き、ホームページを整え、それが直接お客さまの声を聞く元請けへの転換となりました。
「職人だけしているときは利益のことなんて考えていませんでしたが、代表になったらそうはいかない。最初は失敗ばっかりでした。でも、業界に詳しい知人に倣って、経営のことを学んでいった。今は、この業界以外でも自分で集客している店なら、WEBを見ればどんなお客さんに向けているか分かります。自分なりに工夫して集客も考えるようになったんです」
今後の展望を伺うと、これからも地域密着で小さな仕事を一つひとつ次に繋げたいとのこと。現在はドローンを飛ばして外壁の状態を緻密に点検し、小松の厳しい気候にさらされる住まいの現状をお客さまへ丁寧に伝えています。「板金屋やけど、外壁も瓦屋根もトータルで見たい」と、理想の形を語ってくれました。
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WORK
地域特性からハウスメーカーの工法まで。外壁を知り尽くした診断に基づくリフォーム
石川県小松市大領町の上内板金工業は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)をはじめとした外壁リフォーム・外壁修理、その他屋根工事や修理を行う工事店です。
上内さんは、外壁からの雨漏り修理において、原因の特定を重要な工程だと考えています。特に外壁の悩みで多いのが、窓のサッシ周りからの雨漏りです。目視、散水調査、それでも分からない場合は捲るという方法で原因を探っているといいます。
「調査に費用をかけるか、その予算で先にコーキングの打ち替えを試してみるか。そこはお客さまの予算と相談しながら決めていきます。最近は、漏水箇所が特定しやすいサーモグラフィー搭載のドローン導入も考えているんです。大事なのは、工事に入る前の見極めですね。特定できないまま直すと、余計なコストがかかってしまいますから」
さらに、上内さんの強みは小松の風向きや積雪量、さらには「住宅メーカーごとの工法」まで熟知している点にあります。建物の外観を見れば、どのビルダーがいつ頃建てたものか、当時の工法ではどこに「通気」の弱点があるかまで察しがつくのだそうです。
「建物をパッと見れば、『あの頃のあのハウスメーカーなら、ここは通気が取れていないな』と分かったりするんです。昔の工法による結露が原因の場合もあるし、小松特有の雪や風向きが関係していることもあるんで。こうした地域性の知識がないと、慢性的な漏れを止めるのは難しい。雨漏りの相談が来ると、他の職人は嫌がることも多いんですが、僕はむしろ喜んで行きますよ。板金店は屋根も外壁も両方できるからこそ、全体的に原因を探れる相性の良さがあるんです」
修理の際も、その場しのぎの応急処置で済ませるのか、下地の補強まで含めて20年、30年持たせるのか、お客さまの将来設計に合わせて柔軟に提案します。
「半年持てばいいと言われれば数年保証の防水テープやシーリングで対応することもあります。ただ長く住み続けるなら、下地からしっかり補強するように勧めていますね。ガルバリウム鋼板自体は長持ちするけど、家全体の寿命はやっぱり下地の状態に左右されるんですよ」
石川県小松市の外壁工事について尋ねました。小松市は年間降水時間が長く、2021年には石川県が年間降水時間全国1位との統計も出ています。冬は積雪も多い環境です。そのため、上内さんは素材選びや施工方法にも、この土地ならではの配慮を欠かしません。
「一番多い相談は雨樋の破損ですね。雪の重みでお辞儀するように曲がってしまって、勾配が狂うんです。だからうちは、標準よりも金具の間隔を詰めて多めに打つなど、雪国仕様の強い屋根づくりを徹底しています。それに小松は海も山もあるから、沿岸部なら塩害に強いステンレスを提案したり、風向き一つで変わる雨の入り方を考慮したり。提案はさせてもらいつつ、あとはお客さまと相談して決めています」
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MESSAGE
地域密着ならではの信頼感と安心感。外壁工事のプロとして小松で暮らす人たちを支えたい
「施工後も、呼ばれたらすぐ様子を見に伺いますよ。地元のお客さまが多いから、スピーディーに対応できています。あとは、折を見てハガキでも連絡しているかな。リフォームや修理を終えたあとに『おかしい』と思う場所があったら、いつでもお電話ください。早いうちに解決した方が気持ちよく暮らせますから」
上内さんの接客は、飾らない人柄そのままの、親しみやすいスタイルです。「難しい専門用語は使わないし、近所のおばあちゃんと喋っとるような感覚で話します」と語る通り、まるで親戚づきあいのような温かみのある関係性は、二代にわたり地元一筋で経営してきた上内板金工業だからこその魅力です。
また、小松瓦を中心とした地域特有の屋根文化に対しても、できるだけ残しながら活かす姿勢を大切にしています。技術の継承についても、気にかけているご様子です。
「それはやっぱりやっていかなければならないとは思っています。実は今、瓦工事の方が多いんですよね。10年少し前から板金が主流になったけど、30〜40年以上前の建物は、ぜんぶ瓦なので。雨漏りの調査に行くと、屋根が瓦というパターンがよくあります。さらに文化財の補修になると、行政や自治体のその町に対する想いもくみ取らなければいけないんです。難しいと面白いが共存していますね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「外壁の傷みは日の当たる西面が顕著に早かったりして、部分的に状態が変わります。うちでは全部ドローンを使って撮影するので、わかりやすいとお客さまからも好評です。でも、大きな工事にはお金もかかりますよね。頼む、頼まないは気にせず、まずは自分の家の今の状態を知ってほしいという気持ちです。『ちょっと見てくれないか』っていう気軽な電話で大丈夫ですよ」
取材を通して感じたのは、上内さんの言葉に滲む経験の深さでした。最新のドローン診断という技術を取り入れつつ、伝統のある瓦の修理も可能と、新旧の技術をお持ちです。職人としての経験値に加え、地元や伝統への責任感。その両方が、この仕事を支えているのだと感じました。
(2026年3月取材)
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取材後記
有限会社上内板金工業
経営スキルを手にした職人の強さ
上内さんのお話を伺って印象的だったのは、修業時代から続く高い技術力に、経営者としての客観的な視点が加わっている点です。かつての下請け時代の葛藤を糧に、現在は「お客さまにとって本当に必要な工事は何か」を突き詰め、最新のドローンとアナログな職人の勘を巧みに使い分けていらっしゃいます。その合理的な判断と、おばあちゃんの困りごとに寄り添う人間味のバランスが、地域の方々に深く愛される理由なのかもしれません。
「小松」という土地への深い愛着
取材中、何度も「小松」という言葉が出てきました。西日の当たり方、風の向き、そして名産の小松瓦。この土地の特性を知り尽くしているからこそ、単なる修理を超えた予防の提案ができるのでしょう。雪国の厳しい環境で、家を長持ちさせることの大変さを誰よりも知っている上内さんの言葉には、重みと説得力があります。家に不具合が起きたとき一番に顔が浮かぶ。そんな、地域の守り手としての頼もしさを強く感じました。
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工事店プロフィール(有限会社上内板金工業)
| 一番の強み |
伝統的な技術とドローン診断という最新の技術を組み合わせ、目の前のお客さまの困りごとに真摯に応える。また、石川の厳しい気候を考慮した適切な工事で長く地域を支えているところ |
| 会社名 |
有限会社上内板金工業 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:3名 |
| 建設業許可 |
板金工事業(石川県知事許可(般-03)第12165号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:2名
丸のこ等取扱従事者:1名
高所作業車運転者:2名
石綿取扱作業従事者:1名
玉掛作業者:2名
職業訓練指導員:2名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
中部地方
|
| アフターフォロー体制 |
AIG損害保険株式会社の事業総合賠償責任保険に加入しています。
気になることがあればお気軽に相談ください。柔軟に対応いたします。 |
| 代表者 |
上内 和法 |
| 代表者経歴 |
有限会社上内板金工業 代表取締役
2000年3月:小松市立松陽中学校 卒業
2000年4月:石川県立小松工業高等学校 入学
2003年3月:石川県立小松工業高等学校 卒業
2003年4月:有限会社開地板金 入社
2006年3月:有限会社開地板金 退社
2006年4月:有限会社上内板金工業 入社
2010年7月:有限会社上内板金工業 専務 就任
2017年4月:公益社団法人金沢職人大学校 板金科 入学
2020年3月:公益社団法人金沢職人大学校 板金科 卒業
2020年4月:公益社団法人金沢職人大学校 修復専攻科 入学
2023年6月:公益社団法人金沢職人大学校 修復専攻科 卒業
2023年6月:有限会社上内板金工業 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒923-0854
石川県小松市大領町そ82
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|
| 営業時間 |
毎週月~金曜日 8:15~17:45 |
| 定休日 |
土曜日、日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
| 備考 |
2009年10月:石川の技能まつり 優勝 |
屋根工事の依頼も可能です。有限会社上内板金工業の「やねいろは」掲載記事はこちら