自社加工の材料による家にぴったりの材料で、雪国で強く長持ちする外壁に
有限会社高島板金工業
北海道の十勝地方にある河東郡音更町南鈴蘭北の有限会社高島板金工業は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)の張り替え、カバー工法を中心に住宅の外装工事全般を手掛ける工事店です。女社長が先代から受け継いだ技術を守り、さらに女性が働きやすい環境を整備しながら切り盛りしている会社です。
工事店の想い
PERSON
家族への愛情とスタッフへの責任感で歩んできた、女性経営者としての道のり
有限会社高島板金工業(以下、高島板金工業)は、北海道の十勝地方にある河東郡音更町南鈴蘭北に拠点を構える板金工事店です。代表取締役を務める高島望さん(以下、高島さん)は、4人の子どもを育てながら板金工事業界で活躍する女性経営者です。創業者であるお父さんから受け継いだ会社を、お客さまはもちろん、スタッフとその家族の幸せにも配慮しながら経営しています。
高島さんは朝から晩まで働く両親の元で、家事を担当してくれた祖父母ときょうだいと共に育ちました。おじいさんやおばあさんと過ごす時間が多く、「百人一首や花札に親しむ、おばあちゃんみたいな子どもでした」と当時を振り返りながら笑っていました。
中学卒業後は系列の短大へ進みやすい高校を選択したそう。この選択には、家族への深い思いやりがありました。中学生の頃、一緒に暮らしていた祖母が寝たきりになり、母親が仕事と介護に追われる姿を見ていたからです。
「系列の短大に介護福祉科があったんです。私が介護福祉士の資格を取ったら母を助けられるし、祖母の世話もできるんじゃないかと思ったんですよ。短大での勉強は面白かったんですが、祖母は卒業前に亡くなってしまって。結局、介護をすることなく普通に就職しました」
高島さんの人生が大きく変わり家業を継いだのは、ご自身の離婚が大きな理由でした。保育園児3人と小学生1人の計4人の子どもを抱えての就職活動は難航し、厳しい現実に直面。そんな時、お父さんから「働くとこがないなら、うちを手伝え」と提案されたのです。
「家業に入るつもりはそれまで全くなかったんですが、その時はその言葉がすごくありがたかったですね。ただ、現場は男社会でものすごく厳しかったです。背が小さくて足が届かない、重たい物が持てない、そんな身体的な壁がまずひとつ。さらに社長が父親だと、距離の取り方が難しくてぶつかることが多くて。でも、嫌だとかいいとか言ってられないじゃないですか。重たいものは小分けにして運ぶ、歩くスピードを人より速める、常にせかせかしていたなあ。まわりの職人の1.5倍ぐらいのスピードで動き回り、休憩も詰めて仕事を覚えました」
代表取締役就任のきっかけは、お父さんの怪我でした。退院後は足の不自由さが残ったため、高島さんが会社の運営を担うことになったのです。しかしそんな事態での代替わりでも、「誰かが継ぐまでの間なら、私がやりますという中継ぎの気持ちが強かった」といいます。
「父の代わり、そしていずれ現れる後継者の代わりに繋ぎでやっている。そんな気持ちでした。でも経営に携わっていくうちに、スタッフの生活を守るためにも会社をやめるわけにはいかない、そんな使命感が生まれたのも事実です。私が頑張れるのは、自分の子ども、そしてスタッフの子どもたちがいるからですね。どこの子どもも健やかに育ってほしい、そのために親であるスタッフの働く環境を整えています」
男性中心の現場で女性が働くのは容易ではありません。高島さんが現場で働き始めた時、「女は何にもわかってない」という扱いを受けたこともあるそう。そんな時は、「そういう風にしか考えられない人もいるんだ」と冷静に対処して乗り気ってきました。しかし現場経験を積み、会社の代表として組合活動に参加するようになった今は、男性の女性に対する意識が少しずつ変わってきたのを肌で感じているそうです。
「私が業務を全うすることで、『女の人でも板金の仕事ができる、組合の仕事だってもちろんできる』、男の人の意識がそうやって少しずつ変わってきたと思うんです。私が表に出て女性の活躍の場を広げることに貢献できるなら、何でもやっていこうと思いました」
将来の展望について高島さんは、「会社を大きくしたいという野心は全然ありません」ときっぱり。高島さんが大切にしているのは、何よりスタッフの生活を守ること、そして先代から受け継いだ技術を次の世代に確実に伝えることなのです。さらに、「子どもたちに板金の仕事を知ってほしい」という考えでSNSでの情報発信にも尽力。業界の認知度向上にも積極的に取り組んでいます。
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WORK
自社加工が工事における強み。現場に必要な役物を用意し、オーダーメイドの外壁工事を
北海道の十勝地方にある河東郡音更町南鈴蘭北の高島板金工業では、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)への張り替えやカバー工法(※1)を中心とした外壁工事や金属屋根の工事を得意としています。板金の加工は自社で行っており、外壁の状態にぴったり合った役物(※2)や、収納棚の仕切り板やちりとりなど、細やかなリクエストに沿った鉄板の加工も行っています。
自社工場での鉄板加工は高島板金工業の強みの一つ。古い建物の外壁材の再現や、屋根や外壁の色に合わせた雨樋の製作にも対応可能です。車庫や物置の一面だけの張り替えや部分修理など、細かなリクエストに応えて外壁修理できるのが高島板金工業の自慢です。
「昔の鉄板の壁材など、現在の規格外のものについては、自分たちで成形材や支柱を作って、現場のサイズに合わせてオリジナルの部材を製作します。物置や車庫は雪かきでの破損が多いんですよ。除雪機が接触して凹んだとかあるので、修理のニーズに合わせて板金を加工して雪に強い施工をします」
そして高島さんがお客さまとの打ち合わせで重視しているのは、施工の詳細をわかりやすく伝えることです。手描きの図面を作成し、目で見て理解しやすい説明を心がけています。また、見積書の提示では、金額の根拠を詳しく説明することを大切にしています。
「金額に対して、なぜこれだけこの価格になるのかをきちんと説明します。お客さまが納得して工事をすべきなので、手順や材料、日数を明らかにしているんです。個人のお客さまの場合は、予算だけではなくライフプランを考慮した提案も行っています。何十年と長持ちする100万円かかる大掛かりな工事をしても、高齢の方だと『そこまで生きているかわからない』とおっしゃる方もいて、それも最もな考えですよね。どれくらいの修理が必要なのか、見極めることも私たちの仕事です」
具体的な外壁工事として、築20年ほどの住宅の窯業系サイディングの工事例が挙がりました。古くなった外壁を張り替えたいとの問い合わせでしたが、現場の状況を確認して、張り替えではなく金属サイディングでのカバー工法を提案したそうです。
「お客さまから窯業系サイディングを鉄板に貼り替えたいという相談を受けたんですが、打ち合わせの結果、サイディングは剥がさずカバー工法で鉄板外壁材を施工しました。まず木材で下地を組み、その上に透湿防水シートを張ってから外壁材を取り付けます。金属系外壁材のメリットは、雨水を跳ね上げるから湿気に強いということかな。例えば浴室の排気口から湯気が上がると、窯業系だとその部分だけボソボソになるんですよ。でも鉄板だとそういうことがないので安心ですね。外壁の状態によっては一面のみの張り替えも引き受けています。その場合は、外壁の既存部分と屋根の取り合い(※3)の納めに高い技術が必要なんですよ。どうやって納めるのがベストか現場の職人やお客さまと相談しながら、見た目と機能性が両立する仕上がりを見つけて施工します」
また、外壁からの雨漏り修理では、原因の特定が最も重要な作業です。多くの場合、サッシまわりのコーキングの劣化が原因で、板金工事の範囲外となることが多いのが実情だそう。工場などでの雨漏り調査でも、一見外壁からの浸水に見えても、水の通り道をたどるとサッシまわりの劣化であるケースが大半で、板金工事以外の修理が必要な場合は、正確な原因究明と適切な業者への橋渡しを大切にしています。
「コーキング処理は便利ですが、適切な箇所での使用が第一です。外壁工事は入る水が止まれば良いという単純なものではありません。雨の強さや風の向きで、水はどこから入るかわからないんですよね。水が溜まってしまったら最後、外壁の内側に湿気がこもりそれが雨漏りの原因になりますから、入った水はある程度抜けていくように工事するのが原則です。うちでコーキング工事を担当する場合は、万が一、水が侵入した場合の排水経路の確保ができるように施工します。そして外壁は住宅の人目に付く部分なので、仕上がりの美観と防水性能の両立が大事ですね。施工の際に外壁材に傷をつけない配慮、そして水が入っても外壁の外へ抜ける構造にしておく必要があります」
北海道十勝地方の河東郡音更町の外壁工事の特性について尋ねました。音更町付近に限らず、どのようなケースでも北海道の厳しい気候に対応するため、材料選択や施工方法に特別な配慮を払っています。雪が家の横に積み上げて隣接した家の外壁を傷つけたり、屋根から落雪で隣近所の物置やカーポートを壊してしまったりというトラブルも多く、長年の経験と地域の特性を熟知した技術力で柔軟に対応しています。
※1 カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
※2 役物・・・屋根の役物は防水、端部の固定、外観の印象付けのため先端部や勾配の頂部にとりつける部品
※3 取り合い・・・屋根と壁など、部位同士のつなぎ・境目
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MESSAGE
お客さまの不安に配慮したアフターフォロー。雨漏り修理後は雨天の様子を確認して完工へ
有限会社高島板金工業では、工事完了後のお客さまとの関係を大切にしています。完工時、お客さまに「何かあったら連絡をください」と必ず伝え、万が一の不具合には迅速な対応を心がけています。
そして雨漏り修理については、慎重な後日チェックの体制を取っているそうです。水漏れの改善についてお客さまに2度の降雨で様子を見てもらうため、修理後すぐには請求をしません。「何回か雨天の日を過ごしてもらい、水漏れが起こらなければ請求させていただきます。中には、すぐに請求をしてもらってもかまわないというお客さまもいらっしゃいますが、その場合は水漏れがないことを必ず確認してほしいと伝えてお代をいただいています」という方針を取り、修理の確実性を最優先にした対応を行っています。
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「私たちの仕事は、お客さまの住宅に関するお悩みを解決することです。長年にわたって住宅工事を数多く手掛けてきた経験があり、実績がある分、どんな現場でも柔軟に対応できるのが強みです。20年、30年と長く働いてくれている職人がいて、同じ地域で仕事の変化を見続けてきた人がいる、そして彼らの技術を受け継ぐ若い職人たちがいる、そんなとても心強い体制が整っています。工場には女性スタッフも在籍しており、外壁材以外の様々な加工品も製作しています。私は折り紙で作れるものなら、大抵は鉄板でも作れると思っているんですよ。サンマ焼きの受け皿から公民館の靴受けまで、生活に密着したアイテムをステンレスで加工した実績もあります。お友達に相談する気軽な感覚で、『こんなもの作れる?』『これはどうやって修理したらいいの?』といったお問い合わせをいただければ嬉しいです」
高島さんは「会社を大きくしたい野望はないんです」と率直に語る一方で、「住宅に携わる仕事は続けていきたい」という意志も示していました。高島さんにとって仕事とは、先代から受け継いだ技術でお客さまの暮らしを支えること、そして一緒に働く仲間とその家族の生活を守ることなのです。4人の子どもを育てながら板金業界で経営者として歩んできた高島さんの姿勢からは、お客さまとスタッフへの深い思いやりが感じられます。高島板金工業は、確かな技術力に加えて、丁寧な説明と真摯な対応、そしてスタッフを家族のように大切にする経営方針など、安心して任せられる要素が揃った頼りになる工事店です。
(2025年6月取材)
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取材後記
有限会社高島板金工業
母親目線の温かさと配慮で
高島さんとスタッフの関係性で特に印象的だったのは、子育て中のスタッフへの手厚いサポート体制でした。「保育園から電話がかかってきたら30分で帰宅」「子どもの具合が悪い時はすぐに休ませる」という方針は、働く親にとって何よりもありがたい配慮です。「会社全体で子どもを育てるという気持ちで働きたい」という高島さんの言葉通り、本当の意味でワークライフバランスを実現している職場だと感じました。このような環境で働けるスタッフは幸せですね。
誰しも家庭があり家族がいる!
4人の子育てを経験した高島さんならではの、女性スタッフへの配慮に心を打たれました。「子どもを育てながら仕事をする大変さがわかる」という実体験に基づいた理解があるからこそ、本当に必要な支援を提供できるのでしょう。しかしその配慮は、女性に限ったことではなく、男性スタッフに対しても同様です。「奥さんが具合が悪くて家の中がまわらない、そんな時だってありますよね。そういう時は早く帰って!と促すんです」と、誰もが働きやすい会社であることを目指しています。
次世代に繋がる情報発信を
高島さんはインスタグラムでの情報発信も熱心に行っています。それは「子どもたちに板金の仕事を知ってほしい」という想いによるもの。「親世代が板金業について知らない、だから子どもも知らない」、そんな現状を打破するために、まずはママ世代をターゲットにインスタグラムを使うようになったのです。楽しいコメントを添えて仕事の魅力を伝える発信をしていく努力は、業界全体への貢献にも繋がる素晴らしい取り組みだと思いました。
次世代への責任から情報発信へ
高島さんはインターンシップで出会った学生の多くが、「親の仕事の詳細を知らない」ことに驚いたそう。知らなければ将来的に職業の選択肢の中に入ってこない!板金をまずは知ってもらわなければ、業界がますます衰退する!と危惧したのも、情報発信を決意した理由だと言っていました。女性経営者として自身が広告塔になることも、母親そして経営者として、次の世代に数多くの選択肢を残したいという想いからです。今回の取材で、高島さんが抱く強い責任感がひしひしと伝わってきました!
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工事店プロフィール(有限会社高島板金工業)
| 一番の強み |
地域に根差した活動を心掛け、幅広い工事に対応。長年培った経験と技術に加え、屋根材や雨樋の自社加工も行い、雪の重さに負けない丈夫な屋根修理の他、寺社屋根工事ができるところ |
| 会社名 |
有限会社高島板金工業 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:12名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(北海道知事許可(般-4)第622929号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:3名
二級建築板金技能士:3名
高所作業車運転者:6名
職長安全衛生責任者:5名
石綿取扱作業従事者:5名
足場の組立て等作業主任者:5名
玉掛作業者:6名
職業訓練指導員:4名
登録建築板金基幹技能者:3名
屋根外装調査士:3名
特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者:4名
アーク溶接作業者:5名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業
左官工事業 |
| 対応エリア |
北海道地方
|
| アフターフォロー体制 |
損保ジャパンの賠償責任保険に加入済です。
何か不具合などございましたら、ご連絡下さい。
すぐに対応させていただきます。 |
| 代表者 |
高島 望 |
| 代表者経歴 |
有限会社高島板金工業 代表取締役
北海道板金工業組合 所属
1995年3月:音更町立下音更中学校 卒業
1995年4月:帯広大谷高等学校 入学
1998年3月:帯広大谷高等学校 卒業
1998年4月:帯広大谷短期大学 社会福祉科 入学
2000年3月:帯広大谷短期大学 社会福祉科 卒業
2000年4月:帯広大谷短期大学 入職
2001年1月:帯広大谷短期大学 退職
2007年9月:有限会社高島板金工業 入社
2015年9月:有限会社高島板金工業 専務取締役 就任
2021年5月:有限会社高島板金工業 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒080-0311
北海道河東郡音更町南鈴蘭北3-1-19
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|
| 営業時間 |
毎週月~土曜日 8:00~16:00 |
| 定休日 |
日曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
屋根工事の依頼も可能です。有限会社高島板金工業の「やねいろは」掲載記事はこちら