お客さまとは正直に対話し、納得感ある適正な外壁工事を提案していく
株式会社漆畑建築板金
青森県上北郡東北町の株式会社漆畑建築板金は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の工事をメインに手掛ける板金工事店です。協力工事店と共に各種住宅工事全般に対応しています。職人を育てていきたいという意欲が強く、若手採用にも力を入れている会社です。
工事店の想い
PERSON
若い人が入社したくなる会社を目指し、働く環境整備や社内のコミュニケーションにも注力
株式会社漆畑建築板金(以下、漆畑建築板金)は青森県上北郡東北町に拠点を構える板金工事店です。主な事業は金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の新築工事やリフォーム工事で、住宅から社屋や工場等の大規模な建物にも対応しています。
漆畑建築板金の創業は1978年。代表取締役の漆畑俊裕さん(以下、漆畑さん)はこの会社の二代目経営者です。幼い頃から仕事場へ出入りしていたそうですが、家業が何の仕事なのかはあまりわかっていなかったといいます。
「この会社の創業者は私の父です。子どもの頃に工場へついて行っていましたが、父の仕事が何かってのはあまり把握していなかったですね。学校が休みの日に車に乗って連れて行かれただけだったので。工場にいる職人さんと遊ぶ、みたいなのはあった気がします。小学生の頃はそんな感じでしたが、中学生の頃には『うちは板金屋なんだ』とはっきりわかっていました」
漆畑さんは、継ぐことに関しては家族から何も言われていなかったそうです。先代の働く姿を見ていた影響から、工業高校卒業後は建築系の専門学校へ進学しましたが、すぐに漆畑建築板金へ入社する気はなかったといいます。しかし、就職先が決まっていた2011年3月に東日本大震災が発生し、内定先の企業が津波による被害を受けたため、家業へ入社することになったのです。
「地震後の混乱は大変でしたが、うちは海から遠かったので在庫の材料でどうにか仕事を回していました。私は職人1年目で、とにかく現場作業がきつくてね。基本的に屋外作業ですから、暑さ寒さとの闘いで重労働だし大変な仕事だと実感しました」
そんな大変な中で漆畑さんは板金技術と知識を身に付けました。住宅の板金工事は、家を雨風から守り、雨漏り等を起こさないようにするのが目的です。板金は頑丈なものですが、外壁内側への雨水の浸入は、建物の躯体を傷ませ、室内へも影響を及ぼします。漆畑さんは板金工事は家を守るための責任が大きく、そしてそれがやりがいになっていると語ります。
そして2016年に先代が亡くなり、漆畑さんは代表取締役に就任し、経営面での責任も負うようになりました。漆畑さんは、自分が責任者になってから受注を増やし過ぎて、やや仕事がハードになったと苦笑します。
「経営者としての経験が浅いので、暇なのがつらいんです。仕事が休みでも各方面への支払いはあるためそうゆったりした気持ちになれないというか。それなら手当たり次第、仕事があるうちは引き受けてしまおうなんて考えてしまうんですよね。近隣に職人の人数が揃った板金屋さんが、もう指で数えられるくらいしかないこともあって、大きめの現場の話がくるので有難くやらせてもらっています」
今後は、板金工事だけではなく、塗装や屋上防水等トータルで外装工事を担当できるように社内の体制を見直していきたいそう。建設業として、入札が必要な大規模な現場の管理業務も増やしていきたいと意欲的でした。
「仕事の規模を広げていきたいですね。そして若い人たちが『漆畑建築板金で働きたい』と考えてくれるような会社になれたらと思います。そのためには職人の確保も絶対で、人材育成も考えなければいけません。これからは技能実習生の採用も視野に入れているので、日本人外国人問わず、うちの技術を身に付けて彼らにどんどん活躍してもらいたい。そして会社が活気づいたらいいですね。ささやかな楽しみとして、年に1度旅行をしたりバーベキューをしたり、クリスマスにはケーキを用意したりしています。仕事だけではつまらないですから。そういうのがコミュニケーションの手立てになればいいですよね」
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WORK
住宅から工場、公共物まで。職人の人数を活かした幅広い対応で信用を築いていきたい
青森県上北郡東北町の漆畑建築板金は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の工事をメインに手掛ける板金工事店です。板金工事に伴う塗装や屋上防水工事等は、協力工事店と共に対応します。
漆畑建築板金では、住宅から工場、店舗等、幅広い規模の外壁修理に対応しています。また、公共建物の工事も数多く担当しており、会社として地域での信用の高さがわかります。実際の外壁工事について尋ねたところ、公共物の車庫の外壁張り替えが挙がりました。
「大きい車庫の外壁張り替えを担当しました。海の近くの建物で潮風の影響か下地が劣化してボロボロだったんです。今回は塗膜の厚い鉄板を使いましたが、自然が相手だとやっぱり勝てないですね。ベースが鉄骨なので、いずれまた錆びてしまうかな。ずいぶん古い建物で要所要所の納まりが今のやり方と比べるとちょっと雑で、その納めを直しながら張り替えをしました。まず全ての外壁材を剥がし、そのまま使えない状態だったから下地を追加して対応したんです。2~30年前の建物は基礎は今とそう変わらないんですが、応用方法がアップデートされているので耐久面では頼りないかもしれませんね」
また、一般住宅ではカバー工法(※1)も数多く担当しています。窯業系サイディング(※2)の上に金属系サイディングを張る工事が多く、縦張りや横張りのどちらでもお客さまのご要望通りに仕上げます。
「カバー工法をする場合、下地のチェックがとても大事です。下地は湿気のせいで下から悪くなり、下地が傷んでいると既存の外壁が浮いたりしているんです。悪くなった下地はフラットに直し、サッシ周りも劣化しているところは修理します。シーリング(※4)が傷んでいれば取り換えるし、役物(※4)が必要ならトタンで加工するか、もしくは既製品を使用して仕上げます。シーリングと役物の組み合わせでより雨漏りに強いサッシまわりになるんです。現場の状況に合わせて、必要な材料は変わってきますね」
外壁の雨漏りも意外と多いトラブルです。屋根からの雨漏りとの連絡を受けて点検を行うと、原因が実は外壁にあったという場合も多く、特に台風時の横殴りの雨が降ったあとの問い合わせは、外壁のチェックを念入りに行います。
「外壁のサッシまわりのシーリングが切れていると、横殴りの雨に弱いですね。雨漏りイコール屋根となりがちなんですが、外壁のメンテナンス不足であることも多いんです。あと、屋根に積もった雪が下からゆっくりと融けるという仕組みになっている無落雪の屋根は屋根の内側に雨樋があるんですが、雨樋の掃除をしていなくて木の葉が詰まり水浸しになっていることが原因になっていることもあります。手入れで防げる、もしくは解決する雨漏りがけっこうあります」
青森県上北郡の金属外壁工事の特性を尋ねました。漆畑建築板金のある東北町は雪深い地域で、建物は積雪が原因で雨漏りになることもあるそうです。軒先に積もった雪が凍ると、屋根から下りてきた雪解け水の流れを遮りプールのように水溜りができてしまいます。水溜り部分から外壁や屋根の裏側に水がまわり、雨漏りを起こす場合があるのです。シーリング処理で水が下へ流れるように促したり屋根にヒーターを設置するなど、建物の状態に合わせた対応策を考えます。
※1 カバー工法・・・金属屋根の重ね張りをする屋根のリフォーム方法
※2 窯業系サイディング・・・セメント製や金属製の外壁材
※3 シーリング・・・継ぎ目の隙間を埋める目地材
※4 役物・・・端部やコーナーの固定など、特殊の用途/場所に使用される特殊な形状の部材
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MESSAGE
外壁や屋根はご家族を守る大切なパーツ。責任を持って丈夫なメンテナンスを提案したい
漆畑建築板金のアフターフォローは臨機応変です。完工後、お客さまが不具合を発見した場合はすぐに連絡をくださいとのことです。また、ご希望のお客さまには施工内容に合わせた保証書の発行もしています。
「万が一、施工不良がありましたらすぐにお電話ください。点検を行い、対応策を考えます。別の場所も工事したいという追加のご依頼も歓迎します」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「漆畑建築板金の強みは職人の人数が揃っていることです。大規模な現場にも迅速に対応できますし、スケジュールの相談にも乗れます。地域密着で父の代から長いこと仕事をしてきたため実績にも厚みがあり、どのような案件でも解決策を導き出せると思うんです。外壁や屋根は住宅の大事なパーツです。ご家族の安全のためにも何か気になる不具合やトラブル等ありましたら、ぜひ私たちプロに相談してください」
「お客さまに正直に話す」をモットーに、過不足ない施工を提案している漆畑さん。外壁の状態によっては値の張る工事を提案しますが、漆畑さんがその工事を勧めるのは本当に必要だと思うからなのです。逆に、お客さまが希望していても不要と判断すればその理由を丁寧に説明してお客さまの判断を仰ぎます。技術も然りですが、その正直な姿勢が漆畑建築板金の強みなのだと感じた取材でした。
(2023年8月取材)
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取材後記
株式会社漆畑建築板金
無駄なお金は出させない
漆畑さんのお客さまへの気持ちはひとつです。「必要な工事をして、必要な代金をいただくこと」。流行りの材料や技術自慢の浮ついた提案はしない人だと今回の取材でよくわかりました。そのためにお客さまへの説明をすごく大切にしていて、打ち合わせでは「正直に話す」ことに重きを置いています。町の人の口コミほど重要なものはありません。漆畑さんの姿勢は、地域密着で仕事をしている職人の最大の強みだと感じました。
入社したい!と思われる会社へ
漆畑さんは「若い人が漆畑に入りたい!そう思ってくれるような会社になります」と今後を語っていました。人がいないと嘆くばかりではなく、あちらから目指してもらえるようになるという前向きな言葉!長期的な働きかけが必要ですぐに結果の出ることではありませんが、経営者の姿勢はスタッフのモチベーションに必ず繋がると感じました。漆畑さんは日本青年会議所に所属しボランティアや世界情勢にも心を砕いています。視野の広さと心の温かさ、これが若い人に届けば良いなと感じた取材でした。
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工事店プロフィール(株式会社漆畑建築板金)
| 一番の強み |
人員の多さに裏付けされた機動力と対応力の高さを活かして、実績を作り、お客さまに納得と安心の施工をお約束できるところ |
| 会社名 |
株式会社漆畑建築板金 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:9名 |
| 建設業許可 |
建築工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工・工事業、石工事業、屋根工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、建具工事業、解体工事業(青森県知事許可(般―3)第500649号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:3名
一級建築施工管理技士:2名
二級建築施工管理技士:2名
巻上げ機運転者:8名
丸のこ等取扱従事者:8名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:7名
高所作業車運転者:7名
職長安全衛生責任者:8名
足場の組立て等作業主任者:2名
玉掛作業者:8名
職業訓練指導員:1名
登録建築板金基幹技能者:1名
建築物石綿含有建材調査者:1名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業
左官工事業 |
| 対応エリア |
東北地方
|
| アフターフォロー体制 |
ご希望に応じて保証書を発行します。
なにか気になることがあればお気軽にご連絡ください。 |
| 代表者 |
漆畑 俊裕 |
| 代表者経歴 |
株式会社漆畑建築板金 代表取締役
2005年3月:東北町立東北中学校 卒業
2005年4月:青森県立十和田工業高等学校 入学
2008年3月:青森県立十和田工業高等学校 卒業
2008年4月:東北文化学園専門学校 入学
2011年3月:東北文化学園専門学校 卒業
2011年4月:株式会社漆畑建築板金 入社
2016年7月:株式会社漆畑建築板金 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒039-2645
青森県上北郡東北町外蛯沢前平79-203
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| 営業時間 |
毎週月~土曜日、祝日 8:00~18:00 |
| 定休日 |
日曜日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
屋根工事の依頼も可能です。株式会社漆畑建築板金の「やねいろは」掲載記事はこちら