老舗の四代目が、安心の外壁工事と繊細な金属加工で業界に新風を吹き込む
有限会社吉岡板金工業所
富山県富山市赤田の有限会社吉岡板金工業所は、主に金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の施工を行う創業100年の板金工事店です。板金加工設備が整っており、繊細な技を駆使したメタルクラフトアートなど、外装工事だけではなく装飾品にも対応しています。
工事店の想い
PERSON
目指すは板金の市民権向上。魅力を広く伝えるために、未来を変える変革を起こす
有限会社吉岡板金工業所(以下、吉岡板金工業所)は、金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)や金属屋根の施工を中心に、雨樋(あまどい)修理や交換、エクステリアの補修なども行う板金工事店です。四代目となる代表取締役の吉岡智佳さん(以下、吉岡さん)に話を伺いました。
「うちは創業100年になりますが、はじまりはやかんや鍋の穴をふさぐ仕事をしていた鋳掛屋(いかけや)だったと聞いています。会社を設立して住宅に関する金属工事に着手したのが二代目だった祖父。その後業務体制を整え、金属加工を武器に住宅の外装工事を始めたのが父ですね。私は2020年に代表取締役に就任しました」
小さい頃からお父さんやおじいさんが板金の仕事をする姿を見て育ち、高校時代には現場のアルバイトも経験した吉岡さんですが、その頃は自分が四代目として跡を継ぐとは全く考えていなかったそう。大学卒業後も自動車部品のメーカーに入社し、家業とは別の道を歩むかに見えました。しかし数年後、跡継ぎをどうするかという家族会議があった際に兄弟で話し合い、吉岡さん自身も納得の上、まずは一職人として吉岡板金工業所に入社するに至りました。
「夏の暑い現場も冬の寒い現場もとにかくたくさん経験して、職人として一人前になれるようがむしゃらに頑張りました。その後は少しずつお客さま対応を覚えていって、父と一緒に取引先を回ったり板金組合の行事に顔を出すようにしたり。見積りや積算、図面の見方も勉強しました。私はものづくり自体ももちろん好きなんだけど、今考えてみるとそういう、案件を生み出すための対外的な活動の方が向いていたような気がしますね」
代表就任後は、社内体制や事業に関して様々なことを変えてきた吉岡さん。例えば会社の制服、受注形態、採用活動、新規事業など、その内容は多岐にわたります。代表就任以前はそれほど自社を変えたいと望んでいたわけではなかったそうですが、この数年で多くの変化を起こした理由はなんだったのでしょうか。
「その頃『You only live once』っていう言葉を知ったんです。人生一度きりってことですね。40歳くらいの時だったんだけど、年齢的なものもあるのか、自分の人生で何かを成し遂げたいという気持ちが強くなったんです。会社の代表だしその時にはすっかり板金を好きになっているし、この分野で大成したいなと思った。未来を変えたかったら現在を変えていかないといけない。そういうマインドになったことがきっかけだったと思います」
吉岡さんは今後について、受注する仕事を増やし会社の規模を大きくしていくこと、建築板金の認知度向上、建設業のイメージアップなど、様々な展望を語ってくれました。それらはすべて根底に「建築板金の良さをもっと多くの方に知ってほしい」という想いがあるからこその目標です。「降雪のある富山は特に、雪の影響による外壁の傷みを考慮すると、耐久性という意味でもコストパフォーマンスという意味でも板金が適しているから」と吉岡さん。建築板金がさらに市民権を得る未来を目指し邁進していきたいと語ってくれました。
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WORK
積み重ねてきた経験と実績から、お客さまの意向に沿ったベストな方法を導き出す
富山県富山市赤田の吉岡板金工業所は、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)の張り替え・カバー工法(※1)などの外壁リフォームをメインに手掛ける板金工事店です。その他、金属屋根工事や雨漏り修理、塗装・防水工事など様々な外装工事に対応しています。
「最近あった外壁リフォームはリピーターのお客さまで、外壁のカバー工法と車庫の塗り替えをしました。壁は全面ではなく3面の補修。残りの1面は家の裏側で目立たない場所だったというのと、その面はすごく狭くて隣の家とくっついているからという理由でやらないことになりました。お客さまの意向や予算に合わせてご相談に乗っています」
外壁修理は既存の壁の状況によって張り替えになるかカバー工法になるか判断しているそう。外壁周りには窓や室外機などがあるため、新しい外壁材の納まりを考えた上で適切な方法を選ぶ必要があります。また、カバー工法で外壁材を取り付けると新しい外壁材の分だけ窓より出っ張ってしまうので、見た目の問題も含めてお客さまと相談していると教えてくれました。
「外壁工事で印象的だったのは、新聞社や工場なんかの大きい建物の外壁ですね。非住宅向けの外壁材って住宅のものと違ってすごく重いんですよ。厚みが50ミリくらいある金属のパネルで、横幅が1枚7メートルくらいあったりする。それを結構狭いところでクレーンで吊り上げて、下から1段ずつ積み上げていくんです。単純に重たいし、慣れるまでは大変。でも完成すると大きい建物がどーんと目の前に出来上がるので、スケールが大きいし達成感はすごくありますね」
雨漏り修理の相談があった際に気を付けているのは、まずどの程度の緊急度かということ。部屋の中に雨が落ちてきているのであれば即対応しなければいけないので、最初にいただいたお電話でしっかりとヒアリングしています。外壁からの雨漏りは、窓周りの切り込みや外壁材を留めているビス・釘の穴が要注意。通常コーキングや板金の役物(※2)で水が入らないように施工されていますが、劣化によりウィークポイントになってしまうケースも。雨漏りの原因は断定しにくいものなので、現状を踏まえて経験から予測し、全面的に直すか段階的に直していくか決めています。
富山県富山市の外壁工事について尋ねました。富山市は夏は暑く冬は寒い地域。冬は雪が降るため施工が止まることもあります。ただ外壁は屋根工事ほど雪の影響を受けないので、止んでいれば工事可能な場合も。また、富山の雪はべちゃっとした重い雪で、荷重で雨樋が壊れてしまうこともあるそう。降雪量の多い山間部では特に雨樋修理・交換の依頼が多いと教えてくれました。
「私は建築板金がかっこいいものだというのをもっと多くの人に知ってほしいんですね。それで最近は金属アート事業もやっています。壁に飾るウォールインテリアみたいなものや置物など、平面から立体まで作れますよ。金属加工で形作れるものは色々あるので、外装だけでなくもっと身近に感じてもらえる内装にも、板金という選択肢を知ってもらえたら。金属の新しい可能性をもっと追及して、広めていきたいですね」
※1 カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
※2 役物・・・屋根の役物は防水、端部の固定、外観の印象付けのため先端部や勾配の頂部にとりつける部品
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MESSAGE
目で見て直感的に理解できる提案書で、お客さまに伝わる説明を心掛ける
吉岡さんは図面を描くのが得意なので、設計士のいる案件もスムーズに対応できます。図面が描けるとよりわかりやすい説明も可能だったり、見積りが正確なので後からの追加費用が発生しにくいというメリットも。また、必要があれば手描きの絵や図を使ってお客さまに提案したりもするそうです。断面や立面図を描いて説明することで、見積りの項目と写真だけでは伝わらない細かい部分のご説明が可能になります。目で見て直感的に理解できる提案は、お客さまの安心感に繋がります。
「完工後は施工内容によって保証書を発行しています。あと、工事されたことのある方には数年後にお電話で連絡して、お困りごとがないか伺ったりもしています。うちは県のほぼ中心部にあるので、県内どこでも駆けつけますよ。一度工事して終わりではなく、その後も色々相談していただけると嬉しいですね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、雨漏りや金属系外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォームや外壁修理を検討しているお客さまにメッセージです。
「創業100年の歴史がある板金工事店です。実績もノウハウも工法も自信があります。工事店はたくさんあるし、専門的なことがわからないお客さまがそれを選ぶのはなかなか難しいと思うんですが、迷っていたらぜひ板金組合に所属している工事店を選んでください。組合に入っている工事店ならきちんとした資格を持っている職人がいるし、1つの目安になります。あと、そもそもどういう外壁にしようか迷っている方にお伝えしたいのは、とにかく建築板金を使ってみてほしいということ。すごく良い建材なので、きっとご満足いただけるはずです。お問い合わせ、お待ちしています」
取材では吉岡さんが代表になってからの歩みを詳しく聞かせてもらいました。何かを思いついたらどんどん実践していくその行動力に、感嘆の気持ちが湧いてきました。まだまだこれからもチャレンジを続けてほしいですね!
(2025年3月取材)
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取材後記
有限会社吉岡板金工業所
見えない未来にワクワクを
吉岡板金工業所には「ワクワクする未来へ」という経営理念があるそう。そこには吉岡さん自身の「見えない未来に向かってワクワクしていたい」という想いが込められています。そのための改革の一つが社内制度の整備。スタッフがポジティブに働けるよう時代に合わせた働き方を取り入れ、同時にこれまで以上の成果を出すことを目指し行動目標を制定しています。常に新しいことに取り組み変わっていく会社でありたいという吉岡さんの想いは、社内に少しずつ浸透してきているそう。スタッフ一丸となった吉岡板金工業所のますますの飛躍に期待です!
嘆くのではなく動くのが吉岡流
慢性的な人手不足に悩まされている建設業界で、吉岡さんはすでに新たな取り組みを進めています。それが外国人材受入支援事業である「吉岡ことばアカデミー」。外国人材を登用する際に感じられる壁を取り除くため、日本語と板金技術の教育を提供。外国人材と工事店双方にとって、今まさに必要な事業と言えます。現状を嘆くだけではなく、自ら率先して問題解決のために新事業を始めてしまう吉岡さんの行動力に脱帽です。
外壁修理・外壁リフォーム事例(有限会社吉岡板金工業所)1件

外壁張り替え(カバー)(取替)
Y.A様 (富山県富山市)
更新日 2025.05.27
before
after
- 建物種別
- その他
- 価格
- 20〜30万円
- 施工期間
- 1〜2日
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工事店プロフィール(有限会社吉岡板金工業所)
| 一番の強み |
創業100年の伝統で、革新の100年をつくる。建築板金業・金属アート事業・外国人材受入支援事業を通じて業界にイノベーションを起こし、板金で世界を変えようとしているところ |
| 会社名 |
有限会社吉岡板金工業所 |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:10名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業、板金工事業(富山県知事許可(般-3)第583号) |
| 保有資格者 |
一級建築板金技能士:3名
二級建築施工管理技士:1名
建設マスター(板金工):1名
建設ジュニアマスター(板金工):1名
研削砥石の取替え等の業務に係る特別教育:1名
高所作業車運転者:3名
職長安全衛生責任者:3名
玉掛作業者:3名
ものづくりマイスター(建築板金):1名
登録建築板金基幹技能者:2名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
中部地方
|
| アフターフォロー体制 |
全板連の事業賠償・費用総合保険に加入しています。
施工後も何かあればお気軽にお声かけください。 |
| 代表者 |
吉岡 智佳 |
| 代表者経歴 |
有限会社吉岡板金工業所 代表取締役
富山商工会議所 所属
三方よしの屋根点検
全国屋根災害ネットワーク 所属
1996年3月:富山市立堀川中学校 卒業
1995年4月:富山高等学校 入学
1999年3月:富山高等学校 卒業
1999年4月:工学院大学 入学
2003年3月:工学院大学 卒業
2003年4月:株式会社マルスン 入社
2005年12月:株式会社マルスン 退社
2006年1月:有限会社吉岡板金工業所 入社
2013年4月:有限会社吉岡板金工業所 専務取締役就任
2020年11月:有限会社吉岡板金工業所 代表取締役就任 |
| 所在地 |
〒939-8064
富山県富山市赤田895
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|
| 営業時間 |
毎週月~金曜日 9:00~17:00 |
| 定休日 |
日曜日、祝日、土曜日(会社カレンダーに準ずる)、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
屋根工事の依頼も可能です。有限会社吉岡板金工業所の「やねいろは」掲載記事はこちら