技術と知識は年輪。屋根で培った職人力を外壁工事で存分に活かす
株式会社H.R.S
富山県富山市城村の株式会社H.R.S(以下、H.R.S)は、住宅の金属系外壁(ガルバリウム鋼板外壁)などの外壁リフォーム・修理や金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)工事をメインに手掛ける住宅工事店です。近年は遮熱工事にも積極的に取り組んでいます。代表は生粋の職人で屋根を含む住宅外装全般に精通しているため、外壁・屋根の雨漏り修理も得意としています。
工事店の想い
PERSON
父と共に育ててきた会社。今後は若者に技術会得の門戸を開き、職人育成に尽力したい
株式会社H.R.S(以下、H.R.S)は、富山県富山市城村に拠点を構える住宅の外壁・金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)のリフォーム・修理、その他雨漏り修理など専門に行う住宅工事店。外壁の金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)のカバー工法(※1)、屋根リフォーム・修理にも対応可能です。
「できればずっと屋根を触っていたいんですよ。寺の大きな瓦屋根なんかいいですね。一日中考えていたいです」
仕事への想いが溢れる発言で場を和ませる、H.R.S代表取締役の堀俊孝さん(以下、堀さん)。
H.R.Sの母体は、堀さんが代表取締役を務める瓦屋根工事をメインに扱う堀瓦工業有限会社です。堀さんが屋根職人として培った住宅外装の知識と技術を活かし、2017年に住宅外装のリフォーム・修理、雨漏り修理に特化したH.R.S(ホリ・リフォーム・サービス)を立ち上げました。
「瓦職人だった父の勧めで、中学卒業後にこの世界へ入りました。先輩に誘われた土木関係の会社と迷ったんですが、父は当時15歳の私を心配したんでしょうね。『やるなら瓦職人になれ』と言って、自分と同じ現場で働けるよう口利きしてくれたんです。結果的には、これで良かったと思ってます。住宅工事の仕事は本当に楽しいです」
仲の良い先輩と同じ職場で働いていたら、こんなにまじめに働く人間にはならなかったかもと若い頃を振り返って苦笑する堀さん。瓦葺きの仕事は性に合っていて、父と働くようになってからわき目も降らずに職人としての技術を磨きました。
創業のきっかけは、もっと稼げるようになりたかったからだと堀さんは話します。堀さんの父は堀さんが18歳になり自動車免許を取得したのを機にH.R.Sの前身となる「堀瓦工業所」を立ち上げました。
「雇われ職人だと日当で働きますよね。どこの現場にもやはり『仕事のしない職人、できない職人』がいるんですよ。そういった人たちを横目に、親父と『独立した方が稼げるだろう』と目論んだわけです。自分の裁量で頑張った分を収入にしたい、そんな野望で創業しました。仕事をしているうちに僕もいつかは独立したいと考えていたので、父から話を聞いた時はめっちゃうれしかったです」
ただ、独立はやはりいばらの道でした。初めは周囲との義理や付き合いで仕事の獲得に繋がりましたが、1999年の消費税増税の影響により下請けの受注が激減します。
「これまでの『頼まれた仕事をする』だけでは雲行きが怪しくなってきたんです。当時、僕は20代前半でした。営業のえの字も知らんのに、外回りを始めました。特に冬は仕事もないし歩きっぱなしでしたね。少しでも金額の張る仕事が欲しくて、初めは大手ハウスメーカーや工務店ばかり訪ねていました。懐かしいですね」
地道な営業活動が功を奏し、堀瓦工業を2004年に法人化。やがて2017年にH.R.Sを創業しました。これまで共に歩んできた父は、「師匠でありライバル、そしてきっと永遠にかなわない人」だと堀さんは言います。
「技術や経営的なことは勝てますけどね。何がかなわないかって言葉にするのは難しいけど、時々とんでもない強いオーラを出すんですよね。人間性なのかな。勝てないって思わせる何かが父にはあるんです」
H.R.Sとしての展望は?と尋ねたところ、「職人の育成スクールを作りたい」と意欲的な回答。職人の門戸を開き、若い人たちにこの仕事の面白さを伝えたいと次世代育成に積極的に取り組んでいます。
「もうスクールの枠組みはできていて、あとはどうやって職人になりたい若者を集めるかです。この仕事は寒いし暑いし高所作業だしでイメージが悪過ぎるので、まずは間口を広げないといけませんね。まずは金属外壁や屋根のカバー工法を覚えてもらって、そこからセンスとやる気のある人に次の仕事を覚えてもらえたらと考えています」
※1 カバー工法・・・金属屋根や外壁の重ね張りをするリフォーム方法
詳しく見る
閉じる
WORK
安価重視ではない姿勢にはワケがある。売るのは、お客さまの安心に繋がる職人の施工技術
H.R.Sは富山県富山市城村にある外壁リフォーム・修理を手掛ける住宅工事店です。雨漏り修理に伴う金属系サイディング(ガルバリウム鋼板外壁)工事や、金属屋根(ガルバリウム鋼板屋根)修理にも対応できます。
お客さまの要望を丁寧に聞き取り、必要な施工に繋げていく堀さん。ここ10年のH.R.Sのリフォーム・修理の対応案件は一万件を超えています。培ったノウハウと経験値は、そのままH.R.Sの強みとなっているのです。
「お客さまに余計なお金を出させないのが私の施工のコンセプトです。必要な工事を過不足なくお届けするために精密な積算ができるのが会社の強み。予算を伺った上で見積もりを見直すこともありますが、安かろう悪かろうの仕事はしませんのでご安心ください」
お客さまへの対応で気を付けていることは?の質問に、堀さんは「価格に対する誠実さですね。私は安心と腕を売っています」ときっぱり。
H.R.Sは、問い合わせがあると必ず自社スタッフが現地へ向かい、点検・見積もりをします。必要な工法を考え釘一本をも計算し、工事にかかる金額を打ち出しています。近年は見積もりサイトが多数あり、情報収集に長けたお客さまから「あっちの方が安い」と言われる場合もあるそうです。しかし、堀さんは必要な金額しか見積もっていないとの自負から、安価だけを重視するお客さまとは「残念ながら縁がなかった」と捉えて、お断りする案件もあると言います。
実際の外壁リフォーム・外壁修理の事例では、外壁と屋根の両方から雨漏りをしている場合の原因追及の難しさが挙がりました。
「雨漏り、つまり水の出口(水漏れ箇所)は1、2か所。でも水の入口がそれ以上になっている場合がありますね。入口を一つ修理しただけでは当然水漏れは止まりません。外壁の雨漏りの原因を見つけるのは本当に難しいですね。最近は入口と出口、両方を確認してから修理に入ります」
堀さんが外壁リフォーム・外壁修理の際に重視しているのは、通気・防水・遮熱の三点。いずれの施工に入る時も下地の処理は入念に行います。下地処理は、堀さんが住宅の工事をする上で一番のこだわりがある作業なのです。
「あとから簡単に変えられない場所なので、副資材である下地には力を入れています。もちろん、お客さまが住まいを何年持たせたいかにもよるんですが、それに合わせて副資材を選定しています」
また、堀さんは自分が外壁の雨漏りを直す以上、想定外の風雨を「仕方がない」で済ませたくないと言います。
「こんなひどい雨なら雨漏りしても『仕方がない』。今はそんな考えが通用する時代ではありません。想定外を想定内にするのが職人の仕事。他の人の工事は水漏れしたけど、堀がやったのは大丈夫だった!と言われるのが本望ですね」
富山県富山市の気候の特徴は一年を通して湿度が高いこと。著しい湿気は建物の劣化を進めてしまいます。堀さんは外壁リフォーム・外壁修理の際は何よりも通気を重視し、程よい空気の循環を促す施工をしています。
「富山県は外壁の爆裂補修(※1)の相談が多いです。躯体にきちんと息をさせないと湿気が外壁をむしばんでしまうので、どうしたら空気が循環できるかを常に考えて施工しています」
※1…爆裂 クラックなどから水が入り込み、躯体内の鉄筋が錆びて膨張しコンクリートが押し出された状態
詳しく見る
閉じる
MESSAGE
目をそむけたくなる仕上がりは言語道断。日々自分の仕事に誇りを持ち、真剣に現場に挑む
引き渡しの際、堀さんはお客さまに必ず残す言葉があります。それは「いつでも不安なことがあったら連絡をください」と連絡を促すひとことです。
強風や台風による不具合、ひと冬を超えた時、家を大事にするお客さまは様々な不安に襲われます。そうなった時に気兼ねなく電話をという話をもって、その現場を完工とするのです。
「私は、多少の風で影響をうける外壁リフォーム・外壁修理はしていません。けど、お客さまの不安はそれぞれ。いつでも連絡くださいねと言っておくだけで、『何かあったら頼っていいんだな』と思ってもらえます。H.R.Sのアフターサービスは、引き渡しの時のそのひとことですね」
最後に「かべいろは」をご覧になっている、外壁の劣化でお困りのお客さま、そして外壁リフォーム・外壁修理を検討しているお客さまへメッセージです。
「モノ(資材)に頼らない。これはH.R.Sの信念です。それは『〇年補償』などの資材に頼り切りにならないということ。材料を見極める力をつけて、お客さまの住まいに適した材料で長持ちする施工を心掛けています。うちの社員には営業上手はいらないといつも言っているんです。聞き上手になって、お客さまが本当にしてほしい施工がわかるようになってほしい。プラス、H.R.Sの仕事を過不足なく正しくお客さまに伝える、これが大事だと思っています。どんなことでもご相談ください」
「自分のやった外壁を見た時にニヤニヤしてしまうくらいの美しい仕事をしろ。目をそむけたくなる仕事はするな。下手でも一生懸命に。失敗の後始末は会社がやる」
堀さんは、自社の職人たちに仕事への心構えをこう伝えているそうです。この代表の元なら、若手はのびのびと力を発揮し成長できるに違いありません。自社の施工、そして若手育成にも責任とプライドを持つH.R.Sに並々ならぬ器の大きさを感じた取材でした。
(2020年2月取材)
(2025年6月加筆修正)
詳しく見る
閉じる
・当社及び記事作成者は、当サイトに掲載されている記事や情報の内容に関しては十分な注意を払っておりますが、それらについての正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。
・当サイトに記載された情報のご利用については、ユーザー自身の責任において行われるものとし、ユーザーが当サイトから入手した情報に基づいて直接的または間接的に被ったいかなる損害について、当社および記事作成者は一切の責任を負いません。
取材後記
株式会社H.R.S
遮熱にかける想い、伝統と革新が生んだ新たな挑戦
遮熱の世界に魅せられた堀社長は、「夏は室温が劇的に下がり、冬は冷気を防げる」と実感し、自ら現場で温度測定や効果の検証を行うほどのこだわりを持っています。その情熱は、体感型ショールームの開設という形にも表れています。遮熱の快適さを肌で感じてほしいという想いと、自身の経験に裏打ちされた言葉からは、単なる商品提供にとどまらない誠実な姿勢と信念が伝わってきました。
施工精度が劇的に遮熱効果を変える
「遮熱材は施工すれば効くというものではない。施工の精度があってこそ、本来の力を発揮するんです」。そう語る堀社長の言葉が印象に残りました。適切な空気層の確保や細部への気配りが、遮熱効果に直結するとのこと。施工が不十分では、せっかくの性能も発揮できず、投資が無駄になりかねません。素材選びと同じくらい施工の丁寧さを大切にする姿勢こそ、堀社長が多くの信頼を集める理由なのだと感じました。
・当社及び記事作成者は、当サイトに掲載されている記事や情報の内容に関しては十分な注意を払っておりますが、それらについての正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。
・当サイトに記載された情報のご利用については、ユーザー自身の責任において行われるものとし、ユーザーが当サイトから入手した情報に基づいて直接的または間接的に被ったいかなる損害について、当社および記事作成者は一切の責任を負いません。
工事店プロフィール(株式会社H.R.S)
| 一番の強み |
お客さまに無駄なお金は使わせないように、職人として必要な工事を見極めて最適な施工を提案するところ |
| 会社名 |
株式会社H.R.S |
| 対応工事 |
その他塗装
屋根塗装
樋塗装
外構・エクステリア塗装
室内塗装
|
| 従業員数 |
社員:15名 |
| 建設業許可 |
屋根工事業(富山県知事許可(般―4)第013609号) |
| 保有資格者 |
一級かわらぶき技能士:2名
一級建築施工管理技士:1名
瓦屋根診断技士:1名
巻上げ機運転者:2名
高所作業車運転者:2名
玉掛作業者:3名
小型移動式クレーン運転技能講習修了者:2名 |
| 特徴 |
リフォーム業
外壁工事業 |
| 対応エリア |
中部地方
|
| アフターフォロー体制 |
完工後に不安なことがあったらいつでも連絡下さい。(完工後からがお付き合いですので、末永くご自宅を大事になさってください) |
| 代表者 |
堀 俊孝 |
| 代表者経歴 |
株式会社H.R.S 代表取締役
一般社団法人 環境マテリアル推進機構 所属
1993年3月:富山市立奥田中学校 卒業
1993年4月:瓦工事店 入社
1997年3月:瓦工事店 退社
1997年4月:堀瓦工業所 創業 入社
2004年4月:堀瓦工業有限会社 設立 専務取締役 就任
2015年4月:株式会社H.R.S 設立 代表取締役 就任 |
| 所在地 |
〒939-8114
富山県富山市城村113-5
大きな地図で見る
|
| 営業時間 |
毎週月~金曜日、第3、4土曜日 9:00~20:00 |
| 定休日 |
日曜日、第1、2土曜日、祝日、年末年始休業、大型連休(ゴールデンウィーク)、夏季休業(お盆休み) |
屋根工事の依頼も可能です。株式会社H.R.Sの「やねいろは」掲載記事はこちら