鳥取県鳥取市古海に拠点を構える株式会社OKUPEN（以下、OKUPEN）は、外壁塗装・外壁リフォームに加え、外壁修理や外壁リフォーム、屋根塗装、さらには自動車の塗装までも行う塗装工事店です。鳥取だけでなく、岡山全域も対象にしています。

代表取締役である奥田卓志さん（以下、奥田さん）が奥深い塗装の道に足を踏み入れたのは、「手に職をつけたい」という想いからでした。

「子どもの頃は野球少年。高校も野球の強豪校に進学しました。といっても、野球に関わったのは選手としてではなく応援団としてです。同級生や先輩と一丸となって、白球を追いかける選手に応援団全員でエールを送るなか、人間関係の築き方を学びましたね」

高校を卒業した奥田さんは、上京し専門学校に入学します。その頃、奥田さんの頭のなかにあったのは商売を自分で行うことへの興味です。

「モノを自分の手で作って、売りたいと考えていました。それもあり、東京では教材販売や自動車の営業など幅広い経験を積みました。営業ノルマを抱えモノを売る日々を通じて、私自身が心から良いと思える商品やサービスをお客さまに提供したいという想いが強まりました」

数年後、地元鳥取に戻った奥田さんは友人の勧めもあり塗装工事店に就職します。本当に良いものを提供したい、手に職をつけたいと、奥田さんがこれまでに抱えてきた想いが繋がりました。
「下積み期間、全てを教わった親方は破天荒な人でしたね。でも、人情に厚くとても尊敬しています。修行期間は長かったですが、塗装技術を磨きスキルが身に付くと仕事の幅が広がり、楽しさを感じるようになりました。お客さまと直接やりとりする機会も増え、仕事がより面白くなりましたね」

塗装工事店に入った当初から、奥田さんは手に職をつけ『１０年したら辞めます』と親方に伝えていたそう。その言葉の裏には、以前から抱いていた商売への興味がありました。
「塗装工事店で働きながら、お客さまによりよい施工をお届けしたいと思うようになりました。質の高いサービスを提供し、従業員も気持ちよく働ける会社にしたい。そんな想いから、独立を決意しました」

奥田さん率いるOKUPENが手掛ける塗装は、建築物から大型車両まで幅広く、高い技術を活かして住宅の外壁塗装・屋根塗装にも取り組んでいます。さらには内装リフォームも得意としており、保育園の内装の依頼を受けたこともあります。

「一般住宅だけでなく、工場や商業施設などの建築物にも対応しています。自動車塗装は、大手メーカーとの繋がりから仕事を作ってきました。幅広い分野で仕事を任せていただける工事店になることで、事業の安定性も高まります。結果として、お客さまの要望に柔軟に対応できるようになり、技術力と対応力の２つが当社の強みとなりました」

独立後は、お客さまへ真摯に対応を続けるだけでなく、雇用する従業員も幸せにしたいと奥田さんは語ります。
「会社を持つということは、お客さま、従業員、そして従業員の家族の生活にまで責任を追うということです。背負っている期待の重さを忘れずに、より良い塗装工事を提供していきたいですね」

鳥取県鳥取市古海を中心に活動する株式会社OKUPENの強みは、自社で一貫して引き受ける自社施工の体制です。約１０名の社員が外壁塗装や屋根塗装、雨漏り対応など完工まで行います。お客さまからの相談に全て自社で判断するからこそ、幅広い要望にも応えられます。

大勢の社員を見守る奥田さんが大切にしていることは、社員の人間性の成長です。

「塗装技術を身に着けるのは、時間がかかります。１年目は、真面目で一生懸命取り組むこと。2年目は、塗装の技術を磨いて周りから信頼を得ること。そして３年目に自信を持って「自分の仕事」と思って取り組むこと。信頼を得て自信をつけ、責任感を持って仕事をやり遂げられるように指導しています」

その指導スタイルの裏にあるのは、長く厳しい下積み時代の苦い想いです。
「職人の世界は、一定期間経験を積まないと次の仕事を任せてもらえない風潮がありました。確かにスキルは重要ですが、指示された作業をこなすだけでは、腕を磨いたり新しい知識を学ぶ自主的な意欲は育ちにくい。責任ある仕事を任されることで人間的にも成長できる。やる気がある社員には、どんどん仕事を任せて技能と人間性を伸ばす方針です」

また、質の高い工事をお届けするために、OKUPENでは社員が当たり前のことを当たり前に行う習慣を徹底しています。
「外壁塗装の工事では、ムラ・塗り残し・ラインの美しさなどをチェックします。さらには、壁の気密性を確保するコーキング（※１）の切れ目はないかなど、細かい点を確認します。現場を綺麗に保つのも大切な仕事です。網戸やタイルなど、塗装をしない部分も水洗いしてピカピカにして完工としています」

外壁リフォームの塗り替えでは、３回塗りを基本としています。しかし、下地の劣化で通常の工程では満足いく仕上がりにならないときは、さらにもう１回の塗りを追加することもあるそう。
「塗装は家の状態によって、何が必要か変わります。外壁を綺麗にするために３回で足りないと分かれば、追加の施工を検討します。当たり前以上の手間をかけることが、信頼を生む仕事に繋がりますね」

雨漏りが発生したという家主の連絡を受けて駆けつけた際は、現地調査で屋根の部材が一部吹き飛ばされていることを突き詰め、金属屋根工事店と協力し対応しました。外部パートナーと柔軟に連携できるのも、自社施工の強みといえます。

鳥取県鳥取市の気候の特徴は晴れが少なく雨が多いと奥田さんは言います。そのため、雨が降っても作業ができるよう、建物全体に養生を施すそうです。
「鳥取はどんよりした空が多い地域です。なので『雨養生』というやり方で雨天でも作業ができる体制を取っています。雨だからと言ってそれに合わせて作業を休むと工期が守れないので、そのための対策ですね」

※１　コーキング…合成樹脂などを、屋根や外壁の目地や隙間に塗りこみ、気密性などの確保を目的とする施工

OKUPENでは、真摯な対応でアフターサービスにも取り組んでいます。
「当社の強みは一貫した自社施工です。そのため、施工後も問題があれば私たちが責任を持って判断し、即時に対応しています。塗り替え後、不安に思うことがあればご相談して欲しいですね」

また、塗装の技術力はもちろんのこと、お客さまに喜んでもらえる対応を心がけたいと奥田さんは言います。
「社員の平均年齢は30代。職人の世界では若いですが、やる気のある人材が揃っています。早い段階から仕事を任せることで、責任感を育てています。エネルギーに溢れ高い技術力があり、かつお客さまへ接する態度にまで気を配れるのが、当社の社員の魅力です」

最後に「かべいろは」をご覧になっている、外壁・外装の不具合でお困りのお客さま、そして外壁塗装を検討しているお客さまへメッセージです。
「外壁塗装・屋根塗装で大切な家をお守りします。一期一会を意識して、お客さまとのご縁を大切に心を込めて施工いたします。工事が終わり、『OKUPENに頼んでよかった』と思ってくださるのが、何よりも嬉しいです。ぜひ、外壁塗装・修理、外壁リフォームについてお気軽にご相談ください」

お客さまと社員、会社に関わるすべての人が幸せになるような塗装工事店を作り上げていきたいという奥田さんの姿に、技術だけでなく、経営者に求められる「人への想い」を実感した取材となりました。

（２０１６年６月取材）